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    「止めっ放し」を懸念 「自宅車庫」「荷主の構内」

    2013年8月21日

     
     
     

     10月からの行政処分基準の強化を控え、あらためてドライバー点呼の確実な実施が問われるなか、トラック運送の現場では新たな不安材料が浮上している。ドライバーがトラックを持ち帰る形の”自宅車庫”や、荷主などの構内に車両を止め置き、そこへ出勤する格好で業務をこなしてきたドライバーは少なくない。
     点呼業務を含めたドライバー管理という面で問題を抱えていることは否定できないが、慣例となってしまった背景からは「労働時間を短縮するための苦肉の策」だったり、強い立場にある「荷主企業の求め」に従わざるを得ない事情も見え隠れする。


     兵庫県中央部の田園地帯にある民家の車庫に、地域外のナンバープレートを付けた営業トラックが止められている。ドライバーによれば「定期の仕事で、ここから積み込みの場所まで近い」という。自宅へのトラックの持ち帰りは入社時からの条件らしく、所属する運送会社まで通勤するとすれば「自動車で片道1時間はかかる」とのことで、「この仕事は自分の1台だけのため、社長からは営業所を出すことはできないと聞いている」と話す。
     食品輸送がメーンの広島県の運送会社。社長によれば「仕事の性質上、積み込みや荷下ろしの回数が多く、ただでさえ長い待機も加わって拘束時間がオーバーしてしまう。限られた時間で休まないといけないドライバーにとって、さらに通勤のために時間を奪われることは避けないといけない」と、自宅へトラックで帰らせるのが日常的になった。
     こうした”自宅車庫”のドライバーは地域や、扱う荷物の種類などを問わない。また、「トラックの持ち帰りは認めない」という運送会社であっても、荷主などの構内にトラックを止め置きしているケースが少なくない。そこへ通勤しているドライバーには自宅車庫の場合と同じ事情も見られるが、なかには荷主の理不尽な要求に従う形で慣例化してしまった例もあるという。
     「セキュリティーの問題があるため、『宵積みした状態で車庫へ戻ることは認めない』といわれている」(専務)という岡山県の運送会社。食品が主力の兵庫県の運送会社社長も「衛生面の管理を理由に宵積み後に会社へ戻ることは認めてもらえず、そうかといって夜中に積み込み作業をやってくれるはずもない」と、おのずと荷主の構内に止め置きするようになった経緯を説明。なかには「止め置き料まで払わされている」(同県の運送会社社長)というケースもあった。
     いくら慣例化した業務スタイルとはいえ、点呼の面で多くの問題をはらんでいるのは確かだ。営業区域が撤廃された実運送の現行ルールでは、いわば144時間(6日間)以内に所属事業所へ戻ればいいという〝出稼ぎ〟が許されることも間違いないが、「(対面でなく電話点呼が認められるのは)やむを得ない場合であり、安全規則では遠隔地を指している。車庫と事務所が離れているケースや、点呼者が出勤していないというような場合は(対面点呼の)例外とはならない」と地方運輸支局の担当官。
     「小規模・零細の事業場が大半の業界で、行政が求める24時間体制の運行管理を個別に実現できるはずがない。要は書類(が整っていればいい話)というのが実情だ」――。ただ、GPSで車両の位置なども明確になるデジタコが浸透する現在、従来の”言い訳”が通用するかは疑問。業界全体に広がる深刻な問題として、適正化に向けた道筋を早急に探る必要がある。

     
     
     
     
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