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    荷主先で事故 損害賠償請求も 心ない対応に憤慨

    2016年4月21日

     
     
     

     首都圏の運送事業者は、同業他社から仕事の依頼を受け、その荷主の積み込み先で、ドライバーが事故に見舞われた。当日の仕事はこなせたものの、帰社後に病院で診察を受けた結果、骨折で全治1か月の診断を受けたという。荷主は事故を起こしたことについて、加害者であることを認め、担当者は電話で同社に謝罪したものの、それ以上の弁済はなく、ドライバー本人への見舞いの言葉もないままだ。一方、事業者は労災で対応したものの、貴重な戦力であるドライバーを失い、3か月経った今も復帰できないでいる。人材不足の中でドライバー労働力を失う損失は大きく、事業者は、心ない対応の荷主が許せず、損害賠償の請求も辞さぬ構えだ。
     事故は昨年11月に発生。同社のドライバーが夕方、積み込みのため荷主の出荷場に入った。受け付けを済ませ、積載する貨物を確認後、止めていたトラックまで歩いて引き返していた際、右後方からバックしてきたフォークリフトに右足甲部をひかれ転倒した。
     その時は気が動転していたこともあり、お互いに「大丈夫か」と声を掛け合い、やり過ごしたという。しかし、仕事を終えて戻ったドライバーの足が腫れていたため、病院へ連れて行き診察を受けたところ、3本の指を骨折しており、全治1か月の診断が下りた。


     同社社長は翌日、荷主へ連絡を入れ、ことの経緯を説明。荷主も事故を認めた上で、電話で謝罪の言葉を述べたものの、明らかに面倒な様子で、法にのっとった手続きをしてくれと淡々と言われたという。
     労災事故として届ける旨を伝え、労災の申請を行った同社だが、加害者側が弁済するのが筋であるため、担当者に連絡を入れたが、事故を起こしたフォークリフトは構内専用のため、自賠責保険や任意保険に加入していなかった。そのため、保険で対応できないと言われ、迷惑をかけた旨の文書と、加害者や現認者の氏名や所在地を記した文書をファクスで送信してきた。
     被害者であるドライバーに対しては、労災保険で収入は確保できているものの、治療が長引き、3か月経った今もまだ、現場復帰に至っていない。同社は求人を出すなど人材募集を行ったが、人材不足の中、いまだ新しいドライバーを確保できていない。乗り手のいないトラックは、車庫に眠ったままだ。
     誠意ある対応ならまだしも、あからさまに面倒がる様子だった対応が許せず、同社社長は、「休損などの損害賠償を請求したい」と憤慨。ドライバーが業務に従事できなくなったことへの賠償や、それによってトラックが3か月も遊んでしまったことの休車分の請求を求めたいとしているが、同社の訴えは果たして可能なのか。
     弁護士法人ALG&Associatesの家永勲弁護士によると、「結論からいうと、原則として認められないと考えられる」という。会社としては、従業員が業務に従事できなくなることを想定し、フォローできる体制を整えておくことが可能で、そうした請求が認められると、第三者の賠償責任が莫大になる可能性があるからだという。「本件では、他のドライバーに業務を頼むことが可能であったと考えられるので、請求は認められないと思われる」と話す。
     ただ、会社として請求はできないが、被害者であるドライバーは荷主に損害賠償を請求できるという。家永弁護士は、荷主の従業員がドライバーを負傷させているということで、「荷主の従業員は不法行為に基づき、ドライバーに対して賠償責任を負い、荷主の従業員の使用者である荷主も使用者責任に基づきドライバーに賠償責任を負う」とし、「ドライバーは荷主に対して、賠償請求をすることができる」としている。
     その請求については、「ドライバーは労災保険に基づき、休業補償給付を受けているが、同給付は原則として平均賃金の60%相当額のため、精神的苦痛に基づく慰謝料を含め、労災保険によって填補されない損害を、荷主に請求することができる」という。

     
     
     
     
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