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    「ドライバー」価値ある職業に 特別教育で魅力向上

    2016年7月4日

     
     
     

     車を保有していない10代から20代の社会人のうち、購入の意向がない層が約6割に上ったという調査結果が、4月に明らかとなった。車を運転する代表的な職種とされるトラックドライバーといえば、かつては普通の会社員よりも稼いでいるイメージだった。しかし今では、コンプライアンス順守で稼ぎたくても稼げなくなり、中型免許以上がすでに「特殊技能」になってしまっている。車に興味がない人が増える中で、この要因以外にドライバーが価値ある職業として見られていないのには、どのような理由があるだろうか。
     同じ運輸業界でも、人を相手にする鉄道業界では、さまざまな資格を生かし、積極的にサービスの品質向上に取り組んでいる。この姿勢からトラック運送業が学ぶことはないだろうか。
     例えば阪神電鉄では、昨年12月にすべての駅係員、車掌、運転士が「サービス介助士」の資格を取得した。資格取得は、2013年からCS(顧客満足)向上活動の一環として取り組まれており、乗客と接する職員すべてがサービス介助士になった。


     サービス介助士はNPO法人が認定している資格で、高齢者の人や体の不自由な人を手伝う「おもてなしの心」と「介助技術」について、正しい知識と運用方法を得た人に与えられる。この資格認定を行う日本ケアフィット共育機構のHPによると、同社だけでなくJR東日本グループなど多くの鉄道会社で導入が進んでいる。鉄道業界においてはトラック運送業と同様に、資格と業務が結び付いている。資格取得は正しい業務、判断の証しとなり、仕事に対する自信も自然と生まれる。
     一方で、トラックドライバーが魅力的に映らない要因の一つについて、大阪府の事業者は「特別な教育もなく、入社当初から大きな進歩がなくても、できる仕事にずっと従事していると、ドライバーは自分の価値を見いだせなくなってしまうのでは」と話し、さらに「社員に辞められることを損失だと思っている会社には、まだ社員を育てる可能性はある。しかし、『辞めたら次を雇えばよい』としか思っていない企業は、成長が見込めない」と分析する。
     ドライバーが長く勤務できない会社は、良い意味での会社への執着がなく、容易に転職して離職率が高くなる。業界外の人から見ると「離職率が高い業界は危ない」と思われ、異業種からのドライバー職の新規参入も減ってしまうという構図だろう。人材に投資をしないことが、大きくトラック運送業界のイメージダウンにつながっている。
     業界として、ドライバーのスキルアップに関して幾度となく議論されてきた。滋賀県の事業者は、「免許があれば誰でもできる、特別なスキルもいらないと思われている。求人サイトを見ていると時給や月給が低い。やはりトラックドライバーという職に何かしらの付加価値をつけなければ、魅力ある職業に映らないのかもしれない」と、持論を展開する。
     若年ドライバーが減り、高齢労働者の受け皿となりつつあるトラック運送業界。「物流は必要なインフラ」と言う一方で、トラックドライバーを育てることもなく、社員に対しての愛情が薄いという姿勢を改めなければ、価値ある職業とは見なされないのではないだろうか。ドライバーが「安全を守る意識の高い人しかできない仕事」として、業界内外から評価される環境になることが望ましい。今回の鉄道会社事例のような特別な教育、資格が必要ではないだろうか。

     
     
     
     
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