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    中継輸送への取り組み メリットとデメリット

    2016年9月30日

     
     
     

     長時間労働の改善策として挙げられる中継輸送(スイッチ輸送)。ドライバーの負担を大幅に削減できる画期的なシステムだが、なかなか普及するまでには至っていない。同一事業者で進めているケースや複数の事業者で進めているケースなど取り組み方は様々だが、初期投資にコストがかかることや、複数の場合、運賃が半減するなどのデメリットも目立つ。トラックドライバーの負担を軽くする中継輸送や共同配送の現状について調べた。
     イオンと花王が6月から関東ー中部間で中継輸送をスタートさせた。業務効率の向上を期待しており、通常は1泊2日だったドライバーの業務が、日帰り可能になったという。しかし、メリットだけではなく、運送事業者にとってはデメリットも大きい。運賃コストが両社の場合、27%カットされている。
     物流コストを削減させるために共同配送を選択するメーカーも増えている。ビール3大メーカーであるキリン、アサヒ、サッポロは2015年から、東京都内で小型車両の共同配送を実施している。現在ではスタート時に比べて10倍となる延べ1900店の得意先を対象にしている。


     また、キリンとアサヒは共同でモーダルシフトにも注力しており、年間でトラック1万台の輸送を鉄道に切り替えている。メーカー側にとってメリットである物流コストのカットは、運送事業者にとっては当たり前だが、そのまま運賃の減額となる。
     輸送効率が良くなっても「運賃下落分をカバーできない」という運送事業者は少なくない。しかし、コンプライアンス順守が第一になっている現在、大手では中継輸送に取り組む事業者も出てきた。運賃を下げてでも、「危ない行為」を避けなければならない状況にまで追い込まれている。
     味の素物流は昨年、中継輸送専用のトレーラ「リレーライナー」を開発。鴻池運輸も2014年に静岡県島田市に中継輸送の拠点として「スイッチセンター」を開設。鴻池運輸では今月開催される国際物流総合展で「流通業界向けのサービスとして、長距離輸送の安全運行管理に貢献するスイッチセンターの活用を提案する」という。
     荷主が中継輸送や共同配送を求める大きな理由として、「物流コストの削減」があるのは間違いない。業界大手の運送事業者ならともかく、体力のない中小・零細の運送事業者が参加するには、いささかハードルが高い。
     全ト協が昨年9月に出した長距離輸送の実態と労働時間規制の在り方についての提言でも「中継輸送については、目的地の途中に中継拠点を設け、貨物の積み替え、シャシーの交換、複数のドライバーによる単車の相互利用などがあるが、特に中小企業においては、現状、時間のロスなく貨物と車両を中継拠点で合致させることの困難さや、運行管理及び車両管理が複雑になること、中継拠点の整備に費用がかかることなどのほか、車両の相互使用に関する規定・解釈が明確になっていないなどの課題も多い」と指摘している。
     しかし、同提言では「中継輸送には、ドライバー1人当たりの労働時間や移動距離を短縮することができ、不規則な就業形態や長時間労働を解消できるとともに、女性の短時間勤務など多様な労働ニーズを組み合わせて運行する可能性が広がるといった様々なメリットも考えられる」と指摘。「関係省令・通達において中継輸送に関する規定・解釈を明確にするなど、制度面を含め環境整備を図る必要がある」としている。

     
     
     
     
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