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    荷主向けリーフレット 拘束時間の説明不十分

    2016年12月13日

     
     
     

     鋼材輸送を行う大阪市住之江区の運送A社は、地場や長距離輸送、専属輸送も行うなど大型トレーラや大型トラックを中心にした輸送を展開している。同社ではドライバーの高齢化が進んでいるため、若者を雇用して若返りを図ろうと、労働時間の短縮や週休2日制に前向きに取り組んでいる。協力が得られない荷主企業とは取引をやめるなど、積極的な姿勢だ。
     同社は新たな輸送の仕事を獲得した。大型車による近畿圏内の輸送が中心で、荷主企業はA社のほかに3社の運送会社と専属契約している。荷主企業からのアプローチだったためA社の契約内容による契約で請け負うこととなった。
     契約内容は、1日の拘束時間は8時間で、8時間以内であれば貸し切りでの輸送を請け負うもの。しかし、数か月が経ったころに荷主企業の担当者がA社に拘束時間について、説明を求めて訪れた。


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     A社の「原則8時間の拘束」について、荷主企業から「このチラシには拘束時間が原則13時間以内と書かれているが、拘束時間を原則8時間としているのはなぜか」と説明を求められた。A社が見たチラシは〝「改善基準告示」及び「荷主勧告制度」に関する荷主向けリーフレット〟で、そこには「荷主企業の皆様へ ご存知ですか? トラックドライバーの労働時間のルールを」と書かれており、「『改善基準告示』厚生労働大臣が定めた基準」として、拘束時間(就業から終業までの時間)は「1日原則13時間以内で最大16時間以内(15時間超えは1週間2回以内)、1か月293時間以内」とあった。
     荷主企業は、「国交省と厚労省、全ト協の名前が入ったチラシが労基署から配られた。これには原則13時間以内と書かれているが、なぜA社はこのルールに基づいて輸送できないのか」とA社社長に問いかけてきた。
     A社社長はこのチラシを見て衝撃を受け、荷主担当者に拘束時間について説明した。「実運送は8時間だが、ドライバーは出社すると車両点検や点呼、業務に関する確認などの準備をしてから出発するため、最低でも2時間は必要。輸送を終えてから退社するまでに1時間半から2時間は必要なため、実運送を8時間としても、ドライバーの労働時間は1日約12時間になる」
     さらに、「実運送が13時間の場合、輸送の前後4時間をプラスした時点で17時間となり、最大16時間以内の拘束時間も超えてしまう」と説明したが、荷主担当者は「13時間とは言わないが、10〜11時間に引き上げてほしい」と頼んできた。そこで、「それであれば、契約の8時間を超える拘束については運賃とは別に残業代の支払いを求める」と言ったところ、荷主担当者は「残業代は雇う側が負担するもので、荷主が負担するものではない」と水掛け論となった。
     A社社長は「荷主企業はチラシに書かれていることだけを見て、準備や後処理などを一切考えていない。ドライバーの負担などを考えた上で説明しても聞き入れてもらえない」と話す。チラシについても、「行政の名前が記載されたものであれば、運送業務の前には準備、終了後には後処理をする時間が必要であることを説明するべき。説明がなければ我々の言い分は荷主に全く聞き入れてもらえない」と怒り心頭だ。
     A社社長は「13時間拘束した場合、単純計算すると20日間稼働で100時間に達する。実運送は8時間以内と言うことを強く求めなければ、13時間までと考えている荷主企業は運送会社に騙されているのではと不信感を抱く。行政も時短を求めるのであれば、元請けや荷主企業に明確な説明と理解を求めないと、運送会社だけでは時短は進められない」と語った。

     
     
     
     
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