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    政府が進める農業の産業化 物流効率化がカギ

    2018年6月11日

     
     
     

     政府は、農政における最重点事項の一つとして、「農業の産業化」を進めているのを受け、農業経営体が増えており、法人化が進展している。農家では高齢化と後継者不足の問題を抱え、農業を取り巻く環境は厳しさを増している。「農業の産業化」を進める上で、収入の見通しが立ちにくい状況を変えることが、第一の課題となるが、物流の効率化も大きなカギとなる。

     農水省は農産品物流の課題として、ドライバー不足による運賃の上昇や、トラックの確保が困難となる可能性があると考えている。そのため、「農産品物流の効率化などによる輸送条件の改善で物流コストの削減が必要」としたうえで、出荷から小売りまでのサプライチェーン全体にわたり、生産段階などの個別の取り組みではなく、流通の各段階で連携した取り組みが必要としている。

     農業産出額が全国一の北海道では、道庁が農産物の物流においてモーダルシフトなどの推進や、荷主関連系による共同物流網の構築、トラック・コンテナ輸送の効率化を進めている。また、産地から消費地までの輸送効率化を図るため、集出荷施設などのストックポイントへの集約化の促進などへの取り組みを推進している。

     一方、大消費地の首都圏に近く、農業経営体が全国一多い茨城県では今後、コールドチェーンや施設の整備について検討していく考えで、「農業の産業化」には、物流が重要な課題の一つであると考えている。農業を営む法人の経営確立・発展をサポートするために設立した日本農業法人協会(山田敏之会長、東京都千代田区)によると、農地法改正後、法人の経営体数は2015年には全国で約1万9000となるなど、増加しているという。

     岸本淳平経営支援課長は「農業の産業化において、物流の効率化が大きな課題となっている」とし、「物流拠点として農作物の集荷・分配施設が活用できるように卸売市場機能の運用改善など、農産物流通構造の改革に向け農水省に提言するなど取り組んでいる」としている。板越晃政策課長は「農業の産業化で重要なのは人の雇用で、そのためには、ある程度の規模で安定した生産を確保できなければ難しい」としている。

     築地市場を拠点に野菜・果物・輸入青果の卸販売を行っている丸味(同中央区)の浅野洋介社長は、農産物の物流について、「昔に比べ物量が少なくなった」としたうえで、「小口配送は安定しない。どんなに商品が良くて、どんなに価格面で優れていても、安定して商品が入らなければ売れないだけでなく、運賃コストも高くなる」と話す。「築地は利用者も多く、価格形成機能があるため、中央に物を集めることが高く売るためには有利となる」としたうえで、「これからは、農家も法人化して大きくなって商品を安定して供給しなければ産業としては成り立たなくなる」という。

     同社は、築地をハブとして産地からものを集め、全国の市場や、スーパーマーケットのセンターに1日当たり70〜80トンの配送を行っている。以前は自社配送を行っていたが、現在は全てアウトソーシングで、全国のブロックごとに運送会社と提携している。「農産物の物流は、スケールメリットが重要で、絶対的な物量があれば運賃コストもかからない」とし、「農家が儲かるためには、品質と量の安定が重要」としている。

     一方、「農業の産業化」には、旧態依然の農業のシステムを変えていく必要があるとして、新たなシステムの構築を模索しているのが大京(工藤陽壱社長、神奈川県平塚市)だ。平塚市、横浜市、群馬県藤岡市に拠点を構え、野菜を主とする生鮮食品の仕入れから納品まで一括した事業を展開している同社では、農業循環システム「アグリ3PL」の開発を進めている。

     「アグリ3PL」について、工藤社長は「契約した農家に、温度帯を見ることができる軽車両のトレーラを置いて、倉庫代わりとすることで、収穫したものを時間に関係なく、集まった段階で運ぶことができる」と話す。これによって、収穫したものを、そのまま車両に入れるだけで、仕分け作業の手間や箱を買う必要がなくなる。さらに、運賃などの経費を含めて年間契約を行うことで、月ごとに一定の収入を得ることができる。

     「近い将来、野菜戦争が始まる。企業として野菜の確保が勝負となる」とし、「どの種類の野菜にも使える車両を開発することで、トレーサビリティを確立し、農家と一緒に、農業の産業化を図る」考えだ。

     
     
     
     
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