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    豊洲市場が開場 不安を抱える物流事業者

    2018年10月9日

     
     
     

     東京・豊洲市場が11日に開場する。2016年11月に予定されていた築地からの移転が、様々な問題を経て、ようやく実施される。豊洲市場は、青果棟(5街区)、水産仲卸売場棟(6街区)、水産卸売場棟(7街区)の3棟からなり、道を挟んで配置される上、築地市場に比べ事業者に割り当てられる施設面積が全体的に狭くなる。使い勝手が築地市場と大きく変わるため、事業者はそれぞれに新たな環境に合わせた準備を行ってきた。だが、移転日が近づくにつれてもなお、不安が解消されずにいる事業者も少なくない。

     築地市場が開場した1935年に創業した永井(永井洋司社長、東京都中央区)は、鮮魚をはじめ、青果、花卉などの配送を行っており、築地市場から豊洲市場の7街区に拠点を移すことになった。永井社長は「新市場に合わせてシミュレーションした受け入れ態勢が、スムースに機能するかどうかが心配だ」とし、「入荷優先でやれば、どうしても出荷車両は外で積み込むことになるので、非常に効率が悪くなる」と指摘。「我々のような通過型の物流にとっては効率の悪い施設なので、そこをいかに対応していくかが課題。荷捌き場や駐車場も狭いので、かなり工夫してやらなければ対応できなくなる」としている。

     ピーク時には、待機駐車場が積み込み場となることが決まっている。そのため、待機車両の待機場所や買い出し人、市場で働く従業員の駐車場も圧倒的に不足している。永井社長は「開場後、しばらくしたら落ち着くだろうと言われているが、建物の中で収まるくらいの物量で落ち着くようでは維持していくのが大変だ」とし、「事業者にとって新市場は、築地よりあらゆる面でコストがかかるため、あふれるくらいの物量を扱わなければやっていけなくなる」と話す。

     同じく、築地市場内に拠点を置く東発(松本正和社長、同)では、「原因がわかっている問題に関しては気にしていないが、慣れるまでにどのくらいかかるかが課題だ」(松本社長)と話す。施設に関しては「結露と風の対策が必要」とし、「特に、台風や大きな風が吹けば、トラックが横転する可能性が十分に考えられる」と心配している。

     築地市場を中心に全国へ生鮮食品デリバリー網を構築している中央運送(椎名幸子社長、同)では、移転にともない事業者の分散が心配されるとしている。事業本部長の柘植優氏は「できる限りの準備をして対応できるようにはしているつもりだが、現時点で、積み込み場所がまだ決まっていない事業者もある」とし、「そうした事業者の中に市場を離れるところが出てくる可能性がある」という。「駐車場や仕分け場所が確保できなければ、できる場所に移らなければ仕事にならず、分散せざるを得なくなる」とし、「事業者が分散すれば、集荷能力が落ちるため、築地市場の代わりとしてのメリットがなくなってしまう」と危惧している。

     築地市場の水産物や青果物を専門に取り扱う陸王運輸(三浦隆社長、千葉県浦安市)では、作業スペースと駐車スペースは確保したものの、利用コストが築地に比べて大幅にアップしているという。三浦亮常務は「駐車場やスペースなどの問題は、ほとんど解決されないまま開場することになっている」とし、「全体的に運営コストがアップするため、事業者の負担は築地に比べてはるかに大きくなっている」という。同社では、コストアップの部分について、取引先に理解を求める可能性も十分にあるとしているが、できる限り取引先の負担にならないように、コストを抑えるための効率化に取り組む考えだ。

     一方、買荷保管企業組合(福田隆理事長、東京都中央区)では、同じく買荷保管業を営んできた潮待茶屋企業組合とわかさ屋の三社で新会社「潮待物流サービス」を設立。三社の事業を豊洲市場で継承していく。豊洲移転に向けて、福田理事長は「豊洲に設けられた積み込み駐車場へのお客様の配置は99%完了しているが、残念ながら我々が把握していないお客様をどうするかで最終調整をしているところだ」という。

     「豊洲市場は、駐車場のキャパが極端に少ないのが問題で、市場が混み合う朝4時半から8時に混乱が起きないように、ターレの配置などで、効率を考えて準備を行ってきた」とし、豊洲移転を機に、さらなる効率化を目指していく考えだ。

     
     
     
     
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