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物流ニュース
ハコベル 一般貨物向け「ハコベルコネクト」を開始 運送事業者は無料
2019年1月29日
物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を展開するラクスル(東京都品川区)は1月24日、事業戦略説明会を開催し、2月12日から一般貨物向けの新サービス「ハコベルコネクト」を開始すると発表。軽貨物中心の従来のサービスを「ハコベルマッチング」と改称し、二本柱で展開していくという。
松本恭攝社長(写真左)は、「組織の壁を超えて情報をオープン化し、荷主・運行管理者・ドライバーなど様々な関係者が共有することで、効率化を図る」と説明。新サービスは、主に大手物流荷主と一般貨物事業者をつなぐもので、運送事業者の利用料は無料。「各事業者が保有する情報をオンライン上でデジタル化・可視化することで、様々な関係者を『接続(コネクト)』できる」と説明した。
ハコベル事業本部長の泉雄介氏(同右)は、「これまでの3年間で10万を超える案件数と95%のマッチング率を誇る『ハコベル』だが、慢性的なドライバー不足はマッチングだけでは解決できない」と指摘。その背景に、「なり手不足」と「生産性の低さ」を理由に挙げ、特に後者は「二次請けなどの中抜きやアナログ作業に掛かる労力、曖昧さによる損失が発生している。これらは『情報の断絶』が大きな原因」と推測する。
「配送指示書は紙か個別のパソコンに保存されたエクセルデータが多い。荷主とドライバーはおろか、社内ですら共有されていないのが実態」とし、「運送事業には荷主だけでなく、積み込み・降ろし先、協力会社など様々な人が介在している。業務に関わる複数の企業間で情報共有を図る」という。
新サービス導入の目標社数について松本社長は、「明確な数字は差し控えるが、将来的には、4万社と言われる50台以下の中小規模の事業者すべてを目標にしたい」と意気込みを見せた。
続いて行われたパネルディスカッションでは、コクヨロジテム首都圏配送センターの巾田貴紀センター長(左から2人目)と、ハマキョウレックス輸送統括部の野嶋法弘部長(同3人目)が登壇した。
巾田センター長は、「繁忙期は閑散期の3ー4倍ほど物量が増える。この『物流波動』をいかに吸収するか」と問題を提起。野嶋部長は、「傭車不足に対応するため、自社倉庫の近隣の運送事業者に協力を仰ぐなど、ネットワークを広げる活動をしている」と明かした。
これを受け、泉氏は、「繁忙期を基準に、自社で輸送力を確保するのはコスト的に難しい。データで予測を立て、年々大きくなりつつあるピークに備えることも必要」と語り、「今年の消費増税のタイミングで訪れるであろうピークをどう乗り切るかが肝」と話すと、登壇者は一様に頷いた。
松本社長は、「これまで紙や電話、FAXといったアナログな手段で受発注が行われていたが、誤配や確認作業に時間が取られ、効率的とは言えなかった」と分析。これに対し、野嶋部長は、「以前に携帯端末での配送管理システムを導入したが、『使いこなせない』などの声が出て、廃止の憂き目にあった」と肩を落とす。
同社長は、「アナログ排除を強行するのではなく、オペレーターの電話によるフォローも重視し、デジタルとの組み合わせを提案したい」と述べ、「物流業界の無理、無駄、ムラをなくし、業界全体をよりよくしたい」と締めくくった。
◎関連リンク→ ハコベル
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