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物流ニュース
社員の負担軽減 定着率を高める取り組み
2020年2月3日
労働人口が減少するなか、人手不足が深刻化する物流業界では、人材確保とともに、既存の社員の定着率を高めることにも力を入れている。定着率を高めるということは、単に人材を流出させないだけではなく、結果的に魅力のある会社として認識される指標にもなる。定着率を高めるための取り組みには、職場の環境や教育、福利厚生などがあるが、社員の負担を軽減するということも大きな効果が期待できる。
ZEST 腰痛軽減にスタンディングデスク導入
パワーゲート車をメインに、各種一般貨物をはじめ、精密機械やイベント関連の輸送を行っているZEST(ゼスト、佐藤大輔社長、福島県本宮市)では、社員の腰痛を軽減するためにスタンディングデスクを導入している。
佐藤社長は「パソコンを使った事務作業でも、頻繁に立ったり座ったりすることで腰に負担がかかってしまう」とし、「腰痛で困っていた社員も、スタンディングデスクの導入で、負担が軽減している」という。
同社のスタンディングデスクは、天板にホワイトボードシートを貼っているため、簡単なメモ書きが可能。会議をしながら、アイデアを自由に書けるため、クリエイティブな発想が必要となる会議では特に威力を発揮している。
実際にスタンディングデスクを使った社員はそれぞれに、「日々続いていた重い腰痛が軽減された。今では立って作業している方が楽」や「立ったり座ったりがない分、時短が図れて効率的に仕事ができるようになった」「同じ目線でドライバーと話せるため、距離が近くなった気がする」など、満足する効果が得られたと話す。
埼九運輸 野沢営業所に給油所と洗車機完備
このほか、ドライバーの負担軽減につながる取り組みで効果をあげている事業者もある。ツーマン運行と独自の配送網を駆使した九州への配送を得意としている埼九運輸(埼玉県狭山市)では、2015年に給油所と洗車機を完備した所沢営業所(埼玉県)を開設した。
管理課の繁野亮課長は「手洗いで大型車を洗うと、半日はかかってしまうため、ドライバーの労働時間が延びてしまう」とし、「所沢営業所を建てる時に、ドライバーの負担を軽減するために洗車機を導入した」という。
同社では、お客様の大切な荷物を預かるため、車両美化を重要視している。また、洗車をすることで、普段見ないところを見るので、故障などに気がつくこともあって、事故防止にもつながると考えている。
繁野課長は「洗車機は手洗いと比べて、きれいになるだけではなく、時間も短縮できるのでドライバーの負担軽減に役立っている」とし、「近くの事業者にも貸し出しているほど、時短や負担軽減の効果がある」としている。
また、同社では、走行中のドライバーの負担軽減にも取り組んでおり、輸送拠点となる営業所には宿泊施設を設けているほか、宿泊中に利用できる社用車も用意している。
さらに、ドライバーの負担を軽減するため、運転以外の仕事で時間を使わなくても良いように同社では、オイルやタイヤ交換をドライバーに基本的にはさせないようにしており、整備士が行っている。
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