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射界
2020年4月20日号 射界
2020年5月18日
定期券などを用いて、鉄道などを「タダ乗り」することを「キセル」「薩摩守」という。ICカードが主流になった現在でも「タダ乗り」で検挙される事例は無くなっていない。そもそも、なぜ「タダ乗り」のことをキセルというのか。キセルの両端は金属でできておりその間は竹などでできている。
▲「両端だけカネ」から「両端部分の駅だけお金を払う」となり、タダ乗りを「キセル」と呼ぶようになった。「薩摩守」は平清盛の異母弟の「忠度」に由来する。薩摩守だった忠度の名前は「ただのり」と読む。ここからタダ乗りすることを「薩摩守」と呼ぶようになった。ICカードが普及してきた現在でも「タダ乗り」は無くなっていないという。
▲「切符をなくした」と言って駅員の善意につけ込む「キセル」や、改札で前の人間との距離を詰めて通過して自動改札を強引に退出してしまう方法などが使われている。昭和初めには、東京近郊だけで1日に8000人以上が不正乗車で検挙されていたという。自動改札が主流になった現在でも「キセル」は無くなっておらず、いたちごっこが続いている。
▲適正運賃を拒む人間は考えている以上に多いようだ。サービスに見合う料金を支払わないということは、サービスの提供者を認めていないことに他ならない。サービスに見合った料金を支払うことがパートナーシップの基本ともなろう。一方的に利益を得たいという考え方は、それこそ「タダ乗り」と言われても仕方がない。この業界にはまだ「タダ乗り」は多い。
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