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射界
2017年1月23日号 射界
2017年1月27日
言葉は時代とともに変化する。時代の流れに沿って価値観も変化し、社会の構造も少しずつ複雑化していく。それも自然の流れである。しかし半面、世代を異にする人には時代の変化についていけず、偏見と誤解が重なってコミュニケーションに支障を来すこともある。それを融和させるのが「聞く力」ではなかろうか。
▲世の中に「話す力」の解説書はあっても、なぜか「聞く力」を教える教科書が少ない。逆説的な表現をすれば、「話す力」に比べて「聞く力」を身につけるのが容易ではないということなのだろう。いい声で聞き手を感動させる「話し方」は、声優や科白(せりふ)を命とする役者仲間に数多く見かけるが、そんな語り口が良好なコミュニケーションづくりに役立つとは言えない。▲私どもは常に不特定多数の人に混じって社会生活を営む。せっかくの日々であれば常に穏やかで円滑に過ごしたいと願っているが、そうあるためには会話が必要だ。会話とは、まさに言葉のキャッチボールである。言葉を受け止める人(キャッチャー)の手元に投げ込めば、受け手は「ナイスピッチング!」と笑顔で応え、返す言葉も自然と元気で明るさに溢れ、投げ手に自信を与える。
▲会話は、生身の人間同士の「話す・聞く」によって成り立つ。いくら雄弁であっても真意がうまく受け止められなければコミュニケーションは成立しない。うまく受け止めて返す「聞く力」を持つことの大切さを感じてほしい。「聞く力」がしっかりしておれば、好感度は増して会話も楽しくなり、素晴らしい人脈づくりにも恵まれ、仕事もコミュニケーションも、うまく回るはずである。
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