-
射界
2019年11月25日号 射界
2019年12月2日
この言葉を「座右の銘」にしている方も多いだろう。米沢藩の9代藩主だった上杉鷹山の信条でもある「為せばなる 為さねばならぬ何事も 為らぬは人の為さぬなりけり」。アメリカの元大統領のジョン・F・ケネディが日本人記者を前に「尊敬する人物」として名前を挙げている。
▲しかし、日本人記者が上杉鷹山の名前を知らなかったというオチがつく。上杉鷹山は17歳で藩主となり、一汁一菜に粗末な着物を着て、財政難に苦しむ米沢藩を立て直そうとした。元々は九州・高鍋藩の藩主の次男として生まれて、米沢藩主の養子となった。藩主となってからは「大倹約令」を出し、役人の贅沢や無駄をなくすことに尽力した。
▲その後、農政改革を実施し、教育を進め、産業を発展させていく。上杉家の領地はもともと130万石あった。それが鷹山のころには15万石まで激減している。領地が大幅に減少したにもかかわらず、上杉家では「リストラ」を一切しなかった。これでは財政が傾いても当然。借金を返済したのは11代藩主のころとなる。上杉鷹山は72歳で死去している。
▲運送業界でも「後継者問題」は悩みのタネとなっている。多額の借金を抱える苦労を知っている経営者であれば、子供に同じ苦労をさせたくないという気持ちもわかる。上杉家のようにリストラをしない財政改革が正しいのかどうかはわからない。しかし、「為せばなる」という姿勢がなければ、物事は前には進まない。現状維持は後退していることと同じだ。
この記事へのコメント
-
-
-
-
「射界」の 月別記事一覧
-
「射界」の新着記事
-
物流メルマガ