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    「とりあえず旧約款」でいいのか 無関心生む「何でもあり」

    2017年12月1日

     
     
     

     「久しぶりの大きな改正。速やかに届け出の手続きを」と期限を切られ、十分に理解しないまま今回の約款改正にともなう「待機時間料」「積込料」「取卸料」を設定、届け出たトラック事業者も目立つ。「どうせもらえないから適当に書いて出せばいい」という声や、「ヘタに高くすれば(安く申請した同業他社に)仕事を奪われかねない」「届け出た料金をもらわないと行政処分の対象になるのではないか」との憶測が錯綜するなか、各地の運輸支局には「とりあえずは旧約款のままでいく」という意思を示すトラック事業者からの関係書類も多く届いている。



     ある地方ト協が開いた改正約款の説明会で、出席者の1人が「荷主にもPRしてもらわなければ意味がない」と声を上げたところ、「商工会議所に出向いて協力を要請している」と臨席した運輸行政官が応じたが、会場内には「商議所が荷主?」と苦笑ムードが漂っていた。「待機時間料にしても(行政で)目安を示してもらえないのか」との声に、認可運賃の旅客事業とは法的な立場が異なるという説明や、独禁法まで引っ張り出して「国が金額を示すわけにはいかず、各事業者で原価を考えて算出してもらうしかない」。参加していた運送会社の社長は「そんな中途半端なことなら一切、口を挟まないほうがマシではないか」と吐き捨てた。

     確かに、待ち時間に対する料金や作業代は各事業者が人件費などをベースに弾き出すべきものだ。ただ、それぞれの金額に上限と下限の幅を持たせたうえ、その内容を届け出させるものの、結局は「(荷主と運送事業者の)相互に合意のうえであれば約款とは異なる運送契約を結んでも構わない」という実情が、「何でもありなら適当に出しておけばいい」という無関心を生んでいるともいえる。

     一方、手待ち時間や積み下ろし作業の料金が明記されていない、11月3日で期限切れとなった旧約款をそのまま使うことを選択した事業者も少なくない。広島県福山市の事業者は「仮に『待機時間料を払えばいいのか』と荷主が対応すれば、それで長時間の手待ち問題は解決するのか。トラック事業者が長時間労働で厳しい処分を受けることは変わらない」と指摘する。いくつかの運輸支局に確認してみたところ、11月15日の時点で3?4割の事業者が届け出を済ませていたが、担当官らの話によれば、そのうちの4割から半数近くが旧約款を継続して使用するための手続きを取っていることがわかった。

     ある担当官は「約款がない状態を防ぐためではないかと思う」と、旧約款を選んだ事業者の「とりあえず…」との心情を慮る。ドライバーの労働時間を縮める流れを踏まえれば、今回の約款改正は付帯料金を収受することよりも、むしろ「払わないためには時短の取り組みを」と荷主側に求めるようなものだ。「ト協の要望があったから(約款の改正を)やることになった」と運輸当局は説明するが、元請け事業者が旧約款を選択する一方、その下請けや孫請けの実運送事業者が時間待機料を明示した改正約款を拠り所にするという不可思議な現象を、どう受け止めればいいのだろうか。最終的な締め切りはもう少し先だが、本来なら11月4日で終わったはずの旧約款の継続申請も「弾力的に対応する」となったことで、今後もさらに増えると見られる。

     
     
     
     
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