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    ティーエスエアライン 運送中心に事業を多角化

    2011年5月13日

     
     
     

    【北海道】軽貨物からトレーラまで幅広く手掛けるティーエスエアライン(豊澤孝幸社長、千歳市)は現在、自動車部品の輸出事業とネット販売事業が好調に推移している。中古車・トラック販売や産廃収集運搬なども手掛けており、国内の貨物需要が減っていく中、事業の多角化が収益を支えるだけではなく、本業の運送事業にも相乗効果を与えている。
     輸出やネット販売が伸びているのは「あくまで運送が中心にあるから」だという。5月中には、介護タクシー事業に進出する予定で、不況だからこそ事業拡大のチャンスと、設備投資を進めていく構えだ。


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     同社は、フィリピンを中心に自動車部品の輸出事業を展開。豊澤社長が単身乗り込み、マーケティングから販売ルートの確立までゼロから開拓した。
     日本でパーツを調達し、コンテナにまとめ、通関手続きを行い、現地での販売まで手掛ける。物流業務のみならず、仕入れから整備、販売まで一手に行うことで、利益率の高いビジネスモデルを構築した。
     「日本で売れなくても、海外では価値が出てくるものが少なくない。車種、年式、型式、パーツごとに現地のニーズが違うため、売れる部品を詳細に把握した」ことで、順調に売り上げが伸びている。
     また、調達した自動車部品でも国内で売れるものは、昨年立ち上げたネット事業部が中心となり、オークションサイトを通じて販売。「輸出で送れないものや、寝ている商品が毎日数個のペースで売れている。一つ3000―5000円程度だが、日々1万―2万円がコンスタントに入ってくる」と、こちらも好調だ。
     これらの事業での利益を運送で上げるのは大変だが、本業の運送事業との相乗効果も大きいと考えている。同社長は「パーツ輸出や販売の専門業者ではないため、運送業務の合間を使って調達や整備、発送業務などを行うことができる」と説明。運送のついでに全道各地で部品を仕入れることで余計な足代がかからず、空荷も避けられる。空いた時間で一連の業務を行うため、作業全体の効率向上が図れる。専業ではないので販売ノルマもなく、「専業者より安く提供できる」という。
    また、輸出や国内配送で定期的に荷物を出すことで「荷主の立場」になれる。荷物が減っている中、自ら荷物を作ることで、物流業務に絡む企業と積極的に接点を持つことができるため、運送事業にも好影響が出ている。
     このほか中古車販売も手掛けており、排ガス規制など本州で乗れなくなったトラックを自社で使い、その後、輸出やパーツ販売にまわすこともできる。
     「輸出事業やネット販売事業はこれほど伸びるとは考えていなかったが、安価な仕入れや自動車部品の知識、整備技術などすべて運送をやっていたからうまくいっている。運送がすべてにつながっている」と同社長。新たに始める介護タクシー事業は、今後の高齢化社会でのニーズを汲むとともに、定年後のトラックドライバーの雇用先としても考えている。
    ◎関連リンク→ 株式会社ティーエスエアライン

     
     
     
     
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