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  • ブログ・花房 陵

    物流アウトソーシングはリスクのかたまり

    2007年12月18日

     
     
     

    ●リスクマネジメントが今年度の経営流行語でしょう
    漢字は『偽』が時代を映していたと発表されました。企業も政治も教育もみんなだまされたり
    だましたり、びっくりすることがあまりなかった年ですね。
    「まぁ、そんなこともあるんでしょうね」というのが、去年はやった『想定内』『自己責任』に代表
    される達観でしょう。
    リスクマネジメントは、保険業界が生み出した新語でしたが今年は別の意味で使われています。
    いわく、事業の存続、信用の失墜、企業の不祥事・事件、・・・・どちらかといえば、天災や事故
    ではなく、人的なマネジメントや管理運営の事件を防ぐことを言っているようです。
    話題の内部統制評価についても、明確に限定的な意味で「財務報告に関わるリスクマネジメント」
    とうたわれています。粉飾決算を防止するための対策として、業務監査や監査法人の会計とは
    別の監査活動を義務付けているのです。
    日本版SOX法と一緒に流行したのが、内部統制=企業のルール運営厳格化、というリスク
    マネジメントなのです。人的な犯罪や不祥事、不注意や悪意のある経営活動を防止するため
    には、どんなことが必要なのか、というアプローチで研究されている手法でしょう。
    ●物流をアウトソーシングすることのリスク
    内部統制評価作業で指摘されているのは、財務報告の勘定科目である「売上げ」部分の正確性
    です。財務報告の漏れやずれ、計算間違いや帰属の誤り、期間の不正など、数値データの
    保証をするために定められた新しい法令と義務です。
    売上げの確定はほとんどの場合、倉庫からの出荷主義で計上されますから、販売活動での売上げ
    は物流現場で確定します。つまり、重要な勘定科目の正確性は物流が保証していることになる
    のです。
    逆説的な見方では、物流活動をアウトソーシングしたり業務委託を行うことは、重要な勘定科目の
    売上げが不安定、不確実、万が一には売上げが停止するというリスクが存在することになります。
    従来の常識では、物流アウトソーシングはコストダウンのために行われ、売上げに関するリスクなど
    考慮されたことがありませんでした。
    その意味では、物流活動のパラダイムシフト=常識の大転換が行われたのが本年だったのです。
    ●リスクがあるなら、対策を打っておく
    リスクマネジメントの意味が分かったら次はリスクとコントロール、という発想です。
    内部統制評価のために監査人が要求するのが、業務分掌、フローチャート、そしてリスクコントロール
    マトリックス表という3つの文書です。
    リスクとコントロールは対比しており、内部統制の基本的な思想を表しています。
    売上げが中断するというリスクのために、どんなコントロールつまりは対策を準備しておけば良いのか
    というのが、手段です。
    自社の物流でも事故やトラブルで売上げが立たなくなることがあるでしょう。そのこととアウトソーシング
    では、いったい何が違うのでしょうか。
    基本的には情報の伝達や状況把握、モニタリングやサンプリング調査という面で整理することが
    出来るはずです。
    「任せたのだから何も分からない」ではなく、「このような条件で委託している」「常時監視できる」という
    のが正しいコントロール、対策の打ち手なのです。
    これって、業務委託契約のことですね。そして、情報システムなどを利用した『見える化』ということでしょう。

    ●リスクを知り、コントロールを打ち、すべてを掌握することができる

    物流業務は重要なリスクであり、コントロールを万全にしておかねば、新法や監査人の承諾を取り
    付けることが厄介な活動です。
    内部統制評価は上場企業などの一部の特権に関わるレアケースだと思っていると、大間違い。
    ある日突然、荷主や親会社からつけつけられるのです。
    何より、物流の仕事が重要で戦略的で欠かせない、というのはこのような企業にとっての重大なリスク
    であるからなのです。
    リスクを覚悟するにはコントロールを万全にする。
    いつか必ず事故は起きるし、地震も起きる。同じようにリスクをどうやって掌握してゆくのか、というのが
    これからの物流問題です。
    燃料が高い、コストが掛かる、人が集まらない、営業が進まない、・・・・・表面的な根源的な
    物流問題はたくさんありますが、もっとも重視してゆかねばならない問題、物流のリスクマネジメント
    なんでしょうね。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    花房 陵

    イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
    コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。

     
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