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  • ブログ・川﨑 依邦

    労働審判・全面勝利体験報告(24)1円たりとも払えない

    2010年11月2日

     
     
     

     (3)申立人が管理・監督者に該当すること
     



     行政実務及び裁判例(札幌地裁平成14年4月18日、労働判例839号58頁等)で、管理・監督者として必要とされている要件は、(1)事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮・監督権限を認められていること(2)自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること(3)一般の従業員に比し、その地位と権限にふさわしい賃金(基本給、手当、賞与)上の処遇を与えられていることである。申立人が、配車リーダーとして相手方に在職中、これら要件を満たす管理・監督者に該当することは、以下の通り明白である。

     ア 経営の決定に参画し、労務管理に関する指揮・監督権限を有していたこと

     相手方における業務は主として、荷主から荷物の配送について発注を受け、それを相手方の従業員である運転者が運転するトラックに割り振って、各運転者がそれを配送するというものである。申立人が従事していた配車リーダーは、貨物自動車運送事業法18条に基づく運行管理者として、相手方においては不可欠の役割を担っていたもので、運転者の指揮・監督、安全管理及び労務管理を行っていた。

     相手方には運転者が13人おり、トラック13台を所有していたが、どの荷主の、どの荷物を、どの運転者のトラックに割り振る(配車)かは、業務を適切に実施し、かつ効率的に行うためには不可欠な役割であり、正に運送業務の肝といえるものである。申立人は、その配車業務を自ら決定し、各運転者に指示し、監督していたものである。この配車業務で申立人は、自己の一存で決定することができる権限を有しており、相手方代表者ら他の幹部の事前の決裁等を経る必要は全くなかった。(答弁書より)

     配車担当者(運行管理者)について、時間外手当を支払えとなると、中小運送業の経営者は追い詰められる。ほとんどの中小運送業では、配車担当者には時間外手当は支払っていない。数多くの運送業の現場に踏まえて経営指導を行ってきた筆者の、この目で見てきたことである。ここはなんとしても負けるわけにはいかない。1円たりとも時間外手当を払うわけにはいかない。ここで負けると、数多くの中小運送業の経営にとって深刻なダメージとなる。申立人は月額40万円の給料でありながら、時間外手当を払えと言ってきている。断じて負けるわけにはいかない。  

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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