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    進む天然ガス自動車の普及 3万台を突破

    2007年4月26日

     
     
     

     天然ガス自動車(NGV)の普及台数が、昨年12月末に3万469台と、3万台を突破した。内訳は、2〜4tを中心としたトラックが45%を占めており、ごみ収集車・バス・小型貨物バンが25%、軽自動車・乗用車が30%となっている。
     普及当初は、大気汚染対策としての位置付けが大きかったNGVだが、地球温暖化対策促進大綱の策定や京都議定書の発効など、温暖化が深刻になる中、代替エネルギー対策としての役割も大きくなっており、その価値は日々高まってきている。中でも、深刻な問題が懸念されるCO2対策で、CNGトラックは、ディーゼルトラックに比べ、20%以上も排出量の削減に貢献している。


     天然ガス自動車の歴史は、1984年に第1号となる試作車が誕生してスタートした。その後、実用化が進み、開発と改良が重ねられ、これまで徐々に普及台数を伸ばしてきた。01年11月末に1万台を、そして、04年3月末に2万台を突破し、そして、昨年06年12月末に、3万台を突破した。2000年以降は、年間4000台ペースで普及が進んでいる。
     当初は、大気汚染対策の位置付けとして捉えられていたNGVだが、環境問題へのさらなる関心の高まりから、昨今では、代替エネルギーとしての役割も期待されるようになってきた。
     とりわけ、トラック業界では、自動車NOx・PM法や環境条例などの環境規制の強化から、都市部でのCNGトラックの導入を進める事業者が増えている。普及台数3万台の内訳で、2tから4t車のトラックが全体の45%を占めていることからも、トラックユーザーの関心の高さが伺える。
     黒鉛はゼロ、NOxなどの有害物質の排出量も、他の化石燃料と比べ、10から20%も少ないNGVだが、近年、国際社会において、喫緊の問題と位置付けられているCO2の排出に対しても、ディーゼルに比べ、優位性がある。
     日通総合研究所の調べによると、トンキロ当たりのCO2排出量で、平均積載率が50%の場合、CNGトラックは、ディーゼルトラックに比べ、20%の排出量の削減となっている。また、平均積載率が経産省と国交省が出す共同ガイドラインの定めとなっている58%では、22%の削減となり、さらに、積載率100%では、27%の削減が可能という結果が出ている。
     今後の環境問題の主役になるであろうCO2の排出量問題でも、CNGトラックは、その効力を発揮しそうだ。
     ディーゼルに比べ、スタンドの数の少なさは否定できない。06年度末の天然ガススタンド数は全国で322個所と、まだ課題は残るが、車両の性能はすでに、ディーゼル車と遜色がなくなってきている。さらに導入コストも、助成を活用すれば、ディーゼル車と変わらない。燃料コストも、昨今の燃料高騰の中にあって、軽油と比べ、多少の割安感も見込める。環境汚染の激しい都市部での普及は、まだまだこれからだといえ、その活躍が期待されている。
       ◇
     環境への対応に、低公害車の導入を進める事業者が目立ってきた。埼玉県川口市にある明王商事(伊澤春夫社長)も昨年9月、環境対策からCNGトラックを導入。
     ワイドゲートの付いた2t車で、印刷物の輸送に活用している。導入当初は、「馬力などの問題も心配した」(伊澤社長)というが、実際に乗ってみると、まったく遜色がない。むしろ、「音が静かで驚いた」という。
     同社では、夜間の作業も手掛けるが、その際、音が静かなCNG車は、近隣対策にも役立っているのだと、同社長は話す。また、環境にいい車に乗っているということで、ドライバーがリラックスできているのだという。車両価格も、助成を活用すれば、ディーゼル車とほとんど変わらない価格で導入できるため、同社にとっては、CNG車は心強い味方だ。
     ただ、「一つだけ問題がある」と同社長は指摘する。それが、スタンドの問題だ。軽油に比べ、どうしても数が少ない。そのため、スタンド探しに時間がかかるケースもあれば、使用エリアが限られるという問題も生じる。「スタンドが増えれば、もっと使い勝手外よくなるのだが」と漏らす同社長だが、それでも、「CO2の排出も抑えられるなど、環境面を考えると、CNG車の魅力は大きい」と話す。同社では、「今年4t車を導入する予定」とし、「今後も随時、導入を進めていく」としている。
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