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物流ニュース
日本物流学会 サステナブル研究会でホクレン物流部の岡田氏が講演
2024年6月16日
日本物流学会・地域の生活と産業を支えるサステナブル研究会は6月15日、初めての研究会を北海商科大学でオンラインと併用で開催、全国から25人が参加した。
ホクレン農業協同組合連合管理本部物流部物流三課の岡田拓也課長が「北海道農業から見た物流の現代(いま)と将来(みらい)」と題して講演した。
岡田氏は令和4年度の同部の取り扱い数量について640万トン、農畜産物の道外移出数量は193万トンであり、このうちフェリー・RORO船の輸送シェアは63%、貨物鉄道は34%と報告。
「品質管理(温度、荷傷み)」「ロット・物量」「距離(発着地間の純粋な距離、発着地と最寄りの物流結節点間の距離)」「所要時間」「定時制・確実性」「コスト」を「販売上の要件」と「輸送手段の特性」から勘案し、「最適な輸送手段をその都度1件1件選択している」と説明。
あわせて、持続可能な物流を維持するため、「一貫パレチゼーションの推進」「中継地点の設置・活用」「帰り荷の確保」「車両の大型化」といった取り組みを進めていると説明した。
また、北海道における貨物鉄道輸送の「青函トンネルにおける新幹線と貨物列車の共用走行問題」「新幹線の札幌延伸時における並行在来線存続問題」「JR北海道が単独では維持困難な線区の問題」の3つ問題について解説し、「判断を誤ると、現在の物量が運べなくなり、効率的な輸送手段の選択も難しくなる。結果、販売価格の値上がりや事業者所得の減少につながり、北海道のみならず、食料安全保障の観点からも全国的に大変な影響が出る」と指摘した。
貨物鉄道輸送について、「函館~長万部」間の在来平行線が維持されたとして、「物流コストにどれだけの影響が出るのか。新幹線の高速化によって貨物の輸送量がどうなるのかがはっきりしていない」とし、一方、海上輸送では「労働力を確保していけるのか。燃料油価格がどのように推移するのか。脱炭素燃料への転換がどのような影響を及ぼすのかもわからない。将来的に海上輸送が贅沢な輸送手段となる可能性もある」と語った。
「物流は社会の裏方であり、一般からは見えにくいが、将来の課題が多く、深刻な現状であるということを、広くアナウンスしてほしい」と訴えた。◎関連リンク→ ホクレン農業協同組合連合
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