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物流ニュース
利点少ない引き抜き行為 車両協力得られぬ可能性も・・・
2019年5月5日
人手不足は全国的に広まり、特に地方では都心部に比べて人材確保に苦労している。
和歌山市の運送A社では、貴重なトレーラ・大型ドライバーの4人が、都心部から移転してきた運送会社に引き抜かれた。A社だけでなく、同じく和歌山市に本社を構える運送B社でも大型トラックのドライバー数人、さらにはA社と同じくトレーラのドライバー数人が引き抜き行為を受けるなどし、両社は口をそろえて、移転してきた運送会社を非難している。
A社社長は「都心部で事業を行っている頃から、この会社の存在を知っていた。数年前に移転してきて、トレーラでの鋼材や重量物の輸送を展開し、ドライバー確保のために引き抜き行為を行ったと思われる。この会社の社長の顔も知っていて、以前に話しかけたことがあるが、自社が行った行為をわかっているのか、口数も少なくこちらが一方的に話をするだけだった」と説明する。
「転職したドライバーに何度か街中で会って話もした。当社に戻りたい旨の話もあったが、すでに別のドライバーを確保していたので、難しいと厳しく話した。他の運送会社でも同様のことがあり、狭い地域で同業他社からの引き抜き行為は、業務上の助けを求められても協力しがたいので、会社にとってメリットは少ない」と話す。
一方、大型トラックのドライバー数人を引き抜かれたという運送B社は「狭い業界・地域で引き抜き行為をするのは自爆行為。特に地方は人材確保が難しくなっているため大きな問題となる。こういった話は、すぐに地域で広がって、引き抜き行為を行った会社とは取引しないなどといった話も出ている。当社も車両協力を求められたとしても一切協力する気はない」と厳しい話をしていた。
一昔前までは同業他社に勤めていたドライバーが面接に訪れた際は、以前勤めていた会社にあいさつを兼ねて、その人物の勤務態度などを聞き、以前勤めていた会社の了解を得るという律儀な運送経営者もいた。
無闇に人材確保を行ったことで引き抜き行為と思われると、人手・車両不足のこの時代では、かえって会社にとって不利になるのかもしれない。
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