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    消費税のインボイス制度 どのような問題あるのか

    2019年9月20日

     
     
     

     2016年11月末に可決・成立した税制改正関連法により、23年10月から導入される「消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)」。インボイス制度とは、税金計算のベースとなる証票制度…となっている。このインボイス制度は実際、個人事業主にとって大きな問題ではあるが、「どのような問題があるのかわからない」「そもそもインボイス制度を知らない」という人の方が多いと思われる。そこで、インボイス制度とは、どういうものかを専門家にわかりやすく解説してもらった。

     インボイス制度について、土公会計事務所(東京都葛飾区)代表の土公文平氏は「インボイス制度が実際に導入されるまでに、まだ数年の期間がある。それまでの期間に法律や制度が変わって、今の状態のままでいくかどうかわかりません」としながらも、このままの状態で導入された場合を前提に、インボイス制度とはどういうものかを次のように述べた。

     「今まで、売上高が1000万円以下の事業者は、『免税事業者』として納税の義務が免除されていたが、消費税を納めなければならなくなる」とし、「インボイス制度の導入によって、消費税の課税事業者が消費税の免税事業者相手に業務を委託した場合、外注費でかかる消費税を自身で被らなければいけなくなる。つまり、免税事業者の負担をしなくてはならなくなることから、課税事業者以外に外注できなくなる」としている。

     「消費税の負担がゼロの免税事業者が課税事業者になった場合、仮に年収800万円で30%が経費だとしたら、利益が560万円。消費税10%で56万円と同時に翌年の8月くらいまでに、前年度の半分の28万円くらいを納付しなければならなくなる」とし、「これは今まで発生していなかったので、1年間に負担する税金が84万円くらいになるわけですから、個人事業主にとって大きな問題」だとしている。

     これは運送業界に限らず、他の業界の個人事業主にも影響が出るため、ある程度はいろいろな経過措置は整えられてくると思われる。「軽貨物の個人事業主にとっては、課税事業者になれば大きな負担になるし、課税事業者にならなければ取引を切られてしまう可能性も非常に高いため、早くから準備しておかなければ、必然的にドライバーを続けられなくなる」としている。

     また、土公氏は「免税事業者にも納税義務が課せられる。そのためにつくられた制度だと考えられる。消費税が2%上がることよりも、この制度の方が日本経済に与えるインパクトが大きい」とし、「この制度が導入されると、ボディーブロウのように不景気がはじまって来るのではと不安に感じている」と個人的な見解を述べている。

     宅配をメインとする運送事業を行っているセカンドステージ(児島豪社長、埼玉県所沢市)の相談役で同社の会長を務める多田実氏は、「個人的な考えだが、委託先の個人事業主さんに当事者として、真剣に考えてもらうしかない」としながらも、「個人事業主さんは朝から晩まで走っているので、こうした情報が入ってこないと思うので、委託側が選択肢を用意してあげる必要がある」と話す。

     「個人事業主さんにアナウンスしただけでは、なかなか忙しくて考える暇もないと思うので、消費税だけをストックしていく仕組みを作るとか、法人化を進めるとか、勉強会を開いて周知徹底してあげるとか、委託側がいろいろな選択肢を用意してあげる義務があると考えている」としている。

     また、軽貨物運送業をメインに利用運送業、業務請負業などを行うKsBOX(東京都東村山市)の神田飛社長は「これまで免税事業者だったところが、課税事業者になるのは大変。簡単に言えば実入りが大きく減るわけですから」とし、「ただ、この問題は、中小企業がどうこうというような話ではなくて、業界や国レベルの話だと思うから、おそらく業界全体で一回仕切り直しのような状況になって、相場形成から着手するようなことになるのではないか」と考えている。

     「1000万円いかない個人事業者は課税事業者にならないと仕事をもらえなくなるだろうし、自分だけ、そこを回避しようというのはおそらく無理だと思っている」とし、「だからといってやりようがないので、特に準備はしない。自分の会社で救いなのは、違う業態を持っているということ。アンテナを張って、冷静に見ながら対応していく」としている。

     
     
     
     
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