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トラック価格高騰で、新車も中古も手が出ない
2010年11月8日
環境対策車の開発などでトラックの新車の値段は年々上がっており、それに伴って中古トラックの市場価格も上がっているようだ。関西のある運送会社では先月、新車の見積もりを取ったが、購入を断念。中古車も探してみたが、新車同様に価格が高騰しており、「新車も中古車も手が出ない。果たして償却して合うものか」と、同社社長は低迷する運賃と天秤にかけながら購入を検討している。
先月、取引のあるディーラーに大型ウイング車の見積もりを依頼したところ、同社の仕様で1600万円という価格を提示された。「前回、購入してから数年も経たないのに数百万円跳ね上がった」と、新車の購入を早々と断念。次に中古トラックを扱う販売店に同じ車種を照会したところ、5年落ちの年式で走行距離70万キロの車を850万円の価格で提示されたという。「4─5年前なら300万円台半ばの車。車両価格が倍以上につり上がっている」と社長は驚きを隠せない。
別の中古車販売店からは、走行距離100万キロの同じ型の車を400万円で提示された。「最近の車は性能が向上し、150万キロは走りますから」と販売店から言われたが、こちらも断った。
社長は電卓を取り出し、70万キロの車について試算。同社は長距離運行が主体で1台あたり年間約18万キロを走行するが、70万キロの車があと30万キロ走行できると仮定すると、使用月数は残り20か月となる。車両価格850万円を20か月で割ると、月42万5000円の支払いと計算した。
「今の時期に月40万円を超える償却をしていたら、会社に利益が残らないどころか赤字になる可能性も考えられる。当然、70万キロも走行しているので、修繕費も見積もっておく必要がある」と指摘。「今の状況ではトラックを導入することは難しい。元請けは採算が合わないからトラックを下請けに走らせており、下請けの経営が成り立つわけがない」と訴える。(大塚 仁)
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