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「大型離れ」が顕著に 若手ドライバー確保難しく
2010年11月9日
「最近は若い運転者が長距離運行をやりたがらない」と話す大阪府東大阪市の運送会社社長。長距離運行をメーンに事業展開する同社では先月、20代と30代の運転者が相次いで長距離運行から離脱し、地場運行に転向した。収入は2割程度下がったが、従業員は納得しているという。それに伴い、今月に入って大型トラックの運転者の募集を行ったが、30代や40代の運転者からの応募はなく、すべて60歳以上の経験者が集まったという。
「昔は大型トラックの運転者は花形だったが、今は長時間労働の象徴とされ、給料も決していいとは言えない」と嘆くが、大型運転者の希望者は全国的に見ても減少傾向にあるようだ。警察庁発表の運転免許統計がそれを物語る。全国の運転免許証交付件数によると、大型免許(第1種)の交付件数は平成19年に11万2747人だったのが、同20年は3万9130人、昨年は4万1374人と大幅に減少している。
免許制度が改正され大型免許取得が難しくなったことが大きく影響していると考えられるが、中型免許でさえ、昨年の交付件数はわずか2060人に過ぎず、近い将来に「トラックドライバー不足が深刻な問題となる」と見る関係者も少なくない。
運転免許試験場や教習所の大型車は車体が11─12メートル。免許制度改正前が7メートル程度と4トン車並みだったことを考えると、運転操作は格段に難しくなり、実技試験も構内試験に路上試験が加わった。大型教習を実施する教習所も限定され、取得費用も改正前と比べて大きく増加。大型免許を取得する環境が厳しい状況になっているのは確かだ。
長距離運行の希望者が減少していることについて同社長は、「危険な割には給与面で魅力がなくなっているのが最大の原因」と指摘。「10年前は大型の仕事は地場の仕事に比べて、悪くても1.5─2倍の給料があった。しかし、今は4トン車の運転者とさほど変わらない」と説明する。
同じく長距離運行を行い、運転者の確保に頭を悩ませる関西の運送会社社長は「昔は大阪―東京間を8往復が一般的だったが、今は10往復は走らないと採算が取れない。路線会社の協力会社の中には12往復走っているところも珍しくない」と、大型トラック運転者の負担が年々大きくなっているという。
また、「事業者間の過当競争に加えて、経費高で大型車の魅力は薄れている。近い将来に大型車の運転者は、なり手が減っていくことは間違いない。外国からの若い運転者が出てくるのも時間の問題」と話しており、運転者不足を懸念している。(大塚 仁)
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