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毎月9円値上げの可能性も 目が離せない軽油価格事情
2012年3月13日
広島市内の運送会社を訪ねると、いつになく社長の表情が険しい。入れ違いで帰って行った燃料販社の営業マンから「7月ごろまで毎月9円ほどの値上げが続く可能性が高い」と告げられたのが理由だった。
インタンクを持たない同社は従来、3社のスタンドで軽油を購入してきたという。週決めになっているインタンクとは違い、いまもSS購入の場合は月決め価格だが、同社の2月分はリッター112円。「営業マンは『ひょっとすると3月は9円(の値上げ)でも足りないくらい』と話していたが、周りの運送会社も本当にそんな状況か?」と社長。9円刻みで値を上げるとすれば同社の場合、3月時点で120円を超え、営業マンが話した7月は?魔の2008年夏?レベルの157円になる計算。「1台当たりの売り上げは確実に減っており、こんな状態では資金ショートが続出しても不思議ではない。あのときの『燃料代100万円補助』を、もう一度やってもらう必要がある」とこぼす。
「毎月9円値上げ」について大手販社の関係者に聞くと、「イランの問題も含め、その営業マンは最悪の事態を想定して話したのだろうが、7月までは把握できないのが実情」と説明。ただ、「週決め価格のインタンク軽油は2月の3週目に2円、同4週目に3円、3月に入って最初の週が3円と、この3週間だけでも8円の値上がりになっており、(3月の)残りの4週を考えれば同月分は10円アップでも追い付かない可能性もある」という。
運送社長を神妙な面持ちにさせた営業マンの説明の背景には現実的な数字が並ぶ。大手販社の幹部社員も「スタンド売りで150円を突破した平成20年夏の価格を上回るとの見方があるのは確か」としたうえで、「量的には十分に確保されており、こちらも売るのが仕事。問題は売り掛けの回収で、社内では与信管理の徹底をうるさくいわれている」と打ち明ける。(長尾和仁)
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