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ブログ・経営承継支援
第7回「M&Aのメリットやポイントとは?売却や買収を進めるうえで知っておきたい基礎知識」
2020年8月4日
皆様、こんにちは。経営承継支援M&Aコンサルタントの佐藤優哉です。
まず、M&Aでの売り手企業におけるメリットについて、会社・オーナー・従業員の3つに分けて考えていきます。
会社にとっては、今まで空車で帰ってきていたルートに新たな荷物を買い手企業につけてもらったり、基本は自社より大きな企業が買い手になるので、そのスケールメリットを生かして、燃料・保険・トラック購入費用が大幅に低下し、利益率が改善する可能性が高いです。
オーナーにとっては、IPOを除き、自社株を現金化する唯一の機会になることから、創業者利益の確保にも繋がります。役員報酬よりも株式譲渡益の方が税率が優遇されることもあり、手取りの最大化に繋がります。
従業員にとっては、より安定したグループ企業の一員として働くことが可能になり、更には福利厚生の充実、活躍フィールドの拡大など、より働きやすい環境で働けることが多いです。
また、M&Aを進める上でのポイントは、「自社の課題、弱みを事前に伝えること」だと考えます。提携の話が進んでいくと、買手企業による買収監査が行われます。弁護士、会計士など、士業の方々が売り手企業の調査を行います。その際、何かマイナスのポイントが指摘されてしまうと、経済条件の改悪やそもそもの心象が悪くなってしまう可能性があります。
なかなか自社の課題を伝えることは勇気がいることだと思いますが、私どもコンサルタントが問題点をしっかり把握することで、交渉がスムーズに進みます。
「賃上げが難航している」「ドライバーの労働時間が長時間になっている」「点呼がうまく実施できていない」「倉庫を修繕する必要がある」など、課題と認識されていることに関しては、早めに開示頂きたいと考えています。
そして、買い手企業にとっては、「優秀なドライバーの拡充」や「商圏の拡大を短時間で目指せる経営手法」であることは最大のメリットです。
運送業界でもM&Aは増えているものの、「慣れていない」企業が多いと感じることもあります。
買収監査で専門家から「買収のリスク」を指摘されるかもしれませんが、それを鵜呑みにするのではなく、きちんとリスクについて把握しつつも、自社の未来像にこのM&Aが必要なのかどうかをきちんと考え、買収後にどのように成功していきたいのかを、事前に明確にされておくことをお勧めします。
◎関連リンク→ 株式会社経営承継支援
佐藤 優哉
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筆者紹介
経営承継支援
価値をつなぐ、想いをつなげるM&A
中堅・中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務と中堅・中小企業の継続・発展に資するM&A仲介・助言業務が得意。
https://jms-support.jp/佐藤 優哉 (コンサルティング部 M&Aコンサルタント)
早稲田大学卒業後、外資系生命保険会社にて、法人・個人のコンサルティング営業や採用担当を経験。社内コンテストの入賞実績あり。 お客様の事業承継ニーズが多いことを営業活動中に実感したり、実家の家業(運送業)も後継者問題を抱えていることから、その課題解決のために、2018年よりM&A業界へ転職。大手仲介会社を経て、株式会社経営承継支援に入社。 運送業、建設業、人材派遣、調剤薬局案件等を中心にM&Aアドバイザー業務に従事。 -
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