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ブログ・小山 雅敬
第155回:求人のキーワード1に「給料」、2に「休み」、3に「作業内容」
2019年4月30日
【質問】人手が足りず、仕事を受けられない状況です。求人募集をしていますが、さっぱり反応がありません。地域による違いがあるのでしょうか? 求職者が何を求めているのか掴めず困っています。
人手不足の悩みを、全国どの地域でもお聞きします。どうすれば人が集まるのか分からず、お手上げ状態の会社も時々見受けられます。
地域による求職者の意識の違いは確かにあるようです。地方では給料の金額よりも労働時間や休みが大事。安定した仕事で、毎日家に帰ることができ、子どもらと食事がとれる環境を望む人が目立ちます。あくせく働いて稼がなくても田舎の生活では困るわけではないという話も聞きます。一方、都市部近郊では給料の高さを気にする人が多いようです。最近、若者は休日重視とよく言われますが、必ずしもそうではなく、少しでも給料が低いと見向きもしないという実態が見られます。
このように地域差が見られますが、数多く運送会社を見てくると、ドライバー求人の成功要件が、ある程度絞られてきます。例えば最近、弊社の顧問先の運送会社で新設営業所の求人募集をしたところ、一度に約20人の応募がありました。予想を超える好反応に驚きました。媒体は普通の求人広告です。募集成功のキーワードは「給料の高さ」と「週休2日」でした。作業内容は比較的熟練と体力を要する難易度の高い業務でしたが、多くの求職者が集まりました。
また、他の運送会社では、営業所のドライバーの約半数を20歳代の若者が占めており、平均年齢は30歳代と若いです。若者の半数は口コミで入っています。所謂、友呼びです。そこは入社祝い金制度と人材紹介報奨金制度を組み合わせて運用しています。他社と少し違うのは、ホームページをかなり重視し、魅力的、かつラインやフェイスブックなど若者に浸透したツールから同社へアクセスできるようにしています。若者が望むのは、2㌧から4㌧車の乗りやすい車で、労働時間が短い仕事です。深夜帯の仕事も全く厭わず、応募してきます。この会社の休日は週一日です。給料は地域の相場より少し高めに設定しています。運送業に応募してくる求職者が会社を選ぶときの条件は、順番をつけると、1に「給料(日額、月額、賞与など)」、2に「休み(休日、休暇)」、3に「作業内容(手積み・手下ろし、待機、車種、その他)」だと思います。次に「会社の雰囲気」や「研修などの受け入れ態勢」「勤めやすい会社(近隣、時間帯)」かどうか、などが決め手になります。
(コヤマ経営代表 中小企業診断士・日本物流学会会員・小山雅敬)
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筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
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