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    「引越×解体」で注文の連鎖つくる 豊和運輸

    2009年4月30日

     
     
     

     新築物件の買い控えが広がる中、引越業界も全体的に受注が伸び悩んでいる。
     そんな中で奈良県の豊和運輸(ホウワ引越センター、北森康史社長、大和郡山市)は元気がいい。昨年、引越業界で全国初となる旧家屋の解体事業をスタート、爆発的にヒットさせた。問い合わせが相次ぎ、解体依頼は月10件にも上る。業界では思いつかなかった大胆な発想で、右肩上がりに成長を続けている。


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    トラックの車体でもサービスをアピール
     建物の解体事業は昨年7月から開始。新規事業に際し、建設業と産廃収集運搬の許可を取得し、自社でショベルカーを1台購入した。引越業者であるため、もちろん解体や建設のノウハウは持ち合わせておらず、「解体に関してはまったくの素人集団。全員、手探りの状態からのスタートだった」(西本健次事業部長)という。
     なぜ「解体」なのか。時代の流れをつかんだ同社の鋭い読みを西本事業部長はこう説明する。
     「現在、団塊の世代が大量に退職を迎えている。自宅は築25年から30年と老朽化している状況。しかし、時代は変わり、子供の世代では生活が大変な環境にある。子供は新築の家を建てるより、実家を建て替えて2世帯で同居するケースが増えるのではとの判断で、解体にニーズがあると見た」
     同社は解体業を始めるに際して料金体系を明瞭化し、また、近隣住民との応対に力を入れた。よくある解体の料金体系は「一式いくら」といった明瞭さに欠けるケースが多いが、同社では、「坪あたり2万9000円」と統一。解体時は音や振動による近隣住民とのトラブルも多いため、近隣住民へのあいさつ回りに手間暇をかけた。
     新規サービスを始めた当初はユーザーも懐疑的な見方だったが、料金体系や応対の良さが徐々に受け入れられ、いまでは「相見積もりになっても負けたことがない」(同事業部長)と話す。
     旧居を壊すことで仮住まいへの引っ越しが発生し、新築住宅の完成後に再び引っ越しが発生するが、解体を同社に頼めば仮住まいまでの引っ越し料金は無料だ。同社は、解体工事と同時に家の外構工事のサービスも始めた。住宅外部の門、扉、フェンスなどの工事も、同社に頼めば新築住宅への引っ越しが無料となる。また、住宅展示場に出しているハウスメーカーとの業務提携も増え、解体事業は同社の事業の柱になりつつある。
     西本事業部長は「悪い悪いと手をこまねいて状況が良くなるのを待つのでなく、何かアクションを起こさないといけない。家を建てる以外の住宅に関することは、すべてやっていこうというのが私たちの目指しているもの。引っ越しサービスにさらに磨きをかけ、顧客ニーズに応えていきたい」と話している。(大塚仁記者)

     
     
     
     
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