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    明治ロジテック・奥社長「合併のシナジー効果を発揮」

    2009年10月14日

     
     
     

     明治ロジテック(奥賢二郎社長、東京都)は08年4月、東京牛乳運輸とカントラが合併して誕生した。今年2月には大幅な組織改革を行い、広域物流の効率化を進めるシステムも用意した。「2年目に入り軌道に乗り始めた」とする奥社長は、「合併当初の熱い思いを忘れずに、統合・合併のシナジー効果を出していきたい」と意気込む。


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     合併した昨年4月以降、物流業界は軽油価格の高騰やリーマン・ショック以後の物量の減少など、厳しい経営環境に置かれ、同社は「暴風雨」の中での船出となった。新たな出発の時に「こうした外的要因に大きく揺さぶられた」と同社長は振り返る。物量減少の影響は大きく、「厳しい初年度だった」という。
     だが、暴風雨の中の船出であったからこそ、得たものもある。社員には危機感が生まれた。「1年目に大波をかぶった分だけ、危機感を共有できるようになった」。同社長は現在、「合併当初の熱い思いを忘れるな」と訴えている。
     設立2年目、同社長は外的要因に揺さぶられない組織構築に取り組んだ。今年2月に組織改革を実行し、大幅な人事異動を行った。
     以前から、東の東京牛乳運輸と西のカントラは、仕事の進め方も企業文化にも違いがあった。運送の基本である車両管理や傭車の扱いなども、それぞれの考え方があり、統一されていなかったという。人心を一つにした組織にするため、東西の人事交流を進め、35人の支店長を毎月、全国から集めてコミュニケーションを深めた。ドライバーの賃金も、東西で手当てなど違ったため、4月から賃金制度を整備し簡略化し一本化した。
     合併で広域化した仕事を効率化するためのシステムも整備。物量は4月の時点で前年比99%まで戻り、夏まで順調に推移。「軌道に乗り始めた」と自信を見せる。
     2年目の課題は「合併のシナジー効果を出していくこと」という。具体的には、一つはグループ内の仕事の拡大。親会社である明治乳業が明治製菓と経営統合し明治ホールディングスとなったが、グループ会社の物流で同社が取り込めていない部分があるためだ。
     二つ目は、統合したからこそ、できる取り組みの実施。まず、東京―大阪の大動脈をつなぐ幹線輸送の効率化を行う。物流拠点の整備も、従来は各支店、エリアごとの部分最適で考えられていたが、明治ロジテックとして関東と関西エリア全体を最適化した拠点整備を進める。
     三つ目は不採算部門の見直し。倉庫で不採算の部分を見直して課題を顕在化させ、倉庫業としても東西のシナジーを発揮していく。
     奥社長は、これらの取り組みを推進して、「強い足元を固めていきたい」としている。一方で、グループ外の荷主への外販は強く押し出していない。中期目標で外販拡大は掲げているが、1年目の「暴風雨」を乗り越えた今、まずは企業の体力づくりと足元固めに注力する。

     
     
     
     
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