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    吉田運輸 倒産寸前から復活

    2012年6月8日

     
     
     

    【埼玉】埼玉県の事業者は以前、赤字経営を続けた揚げ句、倒産寸前まで追い込まれたが、考えを改め、諦めずに無我夢中で事業に取り組んだ結果、見事に再建を果たした。事業規模は小さいがきらりと光る、そんな同社を取材した。
     所沢市にある吉田運輸(吉田清子社長)は現在、16台のトラックがある。住宅資材輸送がメーンという同社は、昭和42年に今は亡き現社長の夫がトラック1台で始め、昭和53年に緑ナンバーを取得した。菓子などの輸送で始まった同社は順風満帆で、吉田勝治常務が入社した平成3年には車両は20台を超えていた。バブルがはじけたが、同社には全く影響はなく、増車を繰り返していたという。同常務が入社して3年で保有車両は30台を超えた。


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     しかし、そんな同社に落とし穴が待っていた。荷主企業が統廃合を進め、拠点を撤廃した。不況による再編だった。それにより、一気に10台の仕事を失った。加えて、運賃は下がり続けた。
     減車する一方で、常務が営業に走り回った。何とかめどが立ったと思った頃に、今度はディーゼル車規制による車両の代替えに直面する。17台中10台が代替えを迫られた。そんな中、資金繰りを担当していた先代社長が病に倒れ、財務面すべてを取り仕切っていた先代に代わり、社長と常務が引き継いだ。
     二人は金融機関を駆け回ったが融資は全て断られた。常務が気付いたときには会社は火の車。借金は銀行の借り入れを含め2億円。おまけに、毎月200万円の赤字を計上していたのだ。
     顧問税理士からは継続は難しいとして閉鎖することを打診された。常務は夜逃げも考えたが、ドライバーや母親である社長を置き去りにできないと気を持ち直し、再建に取り掛かる。幸い、社長に少しの蓄えがあった。「ボディーの載せ替えなどで経費を極力抑え、何とか10台分の代替えができた」と振り返る。
     配車を見直す一方、給料の見直しにも着手する。「売り上げが60万円しかないのに給料を40万円も渡していたら、会社はやっていけない」と、賃下げの説得を続けた。何人かは辞めていったが、決して手を緩めなかった。
     それでもまだ資金がショートしていた。そこで、車両別原価管理を始めた。1台のトラックでいくら稼ぎ、コストがかかるのか、収支を細かく取った。荷主別の原価計算も行った。「細かいところが見え、なぜ資金が足りないかが見えてきた」という。それから荷主との交渉を行った。「データを持って採算の合わない荷主と交渉し、改善できなければ撤退もした」という。仕事以外での外出を控え、自身の給料を最低限まで下げた。ドライバーへは、燃費の管理を徹底指導するとともに、現状をすべてオープンにした。
     平成18年に黒字転換に成功した後は、毎年利益を出している。銀行借り入れの8割は返済を終えた。保有車両は16台と以前とほとんど変わっていないが、内容は全く違っている。こだわったのは「実車率」だった。いかに空車をなくすかに取り組んだ結果、事業規模を変えずに見事に立ち直った。
     平均4%で推移していた経常利益は、直近の決算でマイナス計上であったが(特別利益で収支はプラス)、「マイナスということは私が仕事をしていないということ。社員に責任はないので賞与は出した」と笑う。
     今後は「ブランド力を高めて、お客様から選ばれる会社になり、経常利益10%を目指したい」と意気込んでいる。
    ◎関連リンク→ 吉田運輸株式会社

     
     
     
     
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