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    上溝運送 新井社長 「社員一人ひとりに声かけ」

    2015年9月16日

     
     
     

    【神奈川】相模原市に本社を構える上溝運送は、仕事の9割以上をスポットが占める独特な営業形態を持つ。その背景には、創業者である新井建次社長の経歴と経験がある。
     20代の頃、貨物の運送を始める前は、タクシーの運転者をしていた。車を流しながら、乗客を見つけ、その日の売り上げを上げていくという、タクシードライバーの営業スタイルが原点の一つだ。その後、タクシードライバーを辞め、企業の運転者などを経験した。
     運送の世界に入ったきっかけは、親族からの要請だった。赤帽として運送業を営んでいた親族から「忙しくて人手が足りないから、手伝ってくれないか」と声がかかった。親族の会社は荷主に大手メーカーを抱え、多くの仕事があった。新井氏は軽貨物事業者として運送の世界に飛び込むことになった。


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     当時、運送業界の営業意識はまだ高いとは言えない時代。その中で、言葉遣いや服装に人一倍気を使う同氏は目立つ存在だった。その点がメーカー担当者に気に入られ、多くの指名を受けるようになった。しかし、やがて、そのことが軋轢となり、同氏は会社を去ることになる。
     会社を去る決意を固めたところ、「自分たちも辞める」と後に続く者たちが現われた。最終的には親族と話し合って、荷主とドライバーを2社で分けることで合意。こうして上溝運送は誕生した。昭和50年代のことだ。
     軽貨物時代の最盛期には38台を抱え、「その頃の売り上げのおかげで、今の本社事務所を建てることができた」と笑う。やがて、荷主からの要請があり、昭和63年4月に一般区域(限定)貨物自動車運送事業許可を取得。その後、限定を解除し、現在は一般貨物で40社、軽貨物で30社ほどの荷主と取引がある。
     穏やかな性格だが、曲がったことを許さない厳しい一面もある。点呼の際に、酒気を帯びていたドライバーを一喝し、その場で解雇したこともあるという。一方、社員とのコミュニケーションは欠かさない。毎日、ドライバーが戻ってくる夕方には車庫へ出向き、一人ひとりに声をかける。日々、様子を見ることで、体調が悪そうなドライバーはすぐにわかるからだ。
     現在、営業や配車といった会社の中心的な業務は、跡継ぎである新井康裕専務が担当している。「取引先からの電話では、『社長ではなく専務を』と言われることもある」と苦笑する同社長。「心配することなく事業を譲ることができそうだ」と目を細める。もともと、趣味人である同社長。引退後は「大好きな釣りに精を出したい」。

     
     
     
     
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