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運送会社
新規参入に「筆記試験」 国交省が導入検討へ
2008年2月1日
国交省は貨物自動車運送事業への新規参入で、一定の資質を問う試験の導入に向けて動き出した。
同案は、今月中旬に開かれた同省貨物課長会議の議題にも上がり、同省では「各地で強い要望が出た」こともあり、実施に向けて前向きな姿勢を打ち出している。実施時期など詳細はまだ固まっていないものの、法律的知識、一般常識などについての筆記試験になる見込みだ。
国交省貨物課によると、「試験自体は許認可時代にもあったし、物流二法施行以降も、しばらく続けていた。しかし、あまりに受験者の数が多くなったため、手が回らずになくなった」。今回の試験導入の最大の要因は、「事業者のコンプライアンスの意識を高めることにある」という。
「『代書屋』に丸投げして、まったく法律的なことを知らずに経営している新規事業者も多いのが現状。ごく基本的な法律にも無頓着な、そうした人たちに、少しでも『勉強』してもらうことが目的」(同課)としており、「規制緩和の流れに逆行するようなことはできない」と、参入規制ではないと説明する。
「申請に不備がなければ参入できるのは現行通り。試験はトラック経営をするための『一般常識』『法律的知識』など」としており、○×式、選択式など簡単な方式にする見込み。参入要件に必要な合格点は設けるが、その点数に達しないと新規許可しないというのでなく、申請事案処理と併行して再試験、再々試験を受けてもらう形にする案が有力だとしている。
新規許可申請者に対する試験の導入は、埼ト協(横塚正秋会長)のコンプライアンス推進特別委員会が昨年取りまとめ、関連行政庁に送付した「トラック運送事業者のコンプライアンス推進に関する提言書」の中で強く要望していた。
この中で、新規許可申請者に対し、「1年以上の懲役欠格事由等のみで、経営者に対する事業遂行能力について審査が十分に行われていない」現状を指摘し、現行の「書類審査のみ」ではなく、「聴聞」「筆記試験」を実施し、「最低限の知識・能力を審査するべき」と求めていた。
今回、試験導入案が浮上した背景について、同省の担当官は「埼ト協から提言があったことは確かだが、各地から同様の要望が寄せられていた」とした上で、「最低限の法律的知識を持って参入してくるのは当然のことではないか」と話している。
同省では、「具体的な内容はこれからで、時期などは未定」としているものの、筆記試験導入の動きは今後、着々と進みそうだ。
◎関連リンク→国土交通省 -
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