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    全ト協 トラックドライバードラコン「消えた2t部門」

    2008年6月19日

     
     
     

     全国トラックドライバー・コンテストの「2t部門」が今年からなくなる。全ト協(中西英一郎会長)は「中型免許の新設に伴う措置で2年前から担当委員会が検討を重ね、決定したこと」とするが、最近になって地方ト協などを通じて「初めて聞いた」という事業者も多い。
     「なぜ2t部門を廃止したのか。2t車しか保有していない会員には出場するなということか」との批判に、東ト協(星野良三会長)は独自に「2t部門の復活」を再検討することを決めた。東京以外でも「ドラコンから2t部門をはずしたのは現場を無視した措置」とする声が多く、全ト協は今後、再検討を迫られそうだ。


     全ト協が「2t部門廃止」を検討し始めたのは06年3月の交通対策委からで、当時の委員長は二又大栄前副会長(久留米運送)。委員会として「廃止の方向性」を提案し、了承。同5月の会合で正式に決定した。「中型免許の施行で営業トラックの大部分が中型から大型に移行することが想定される」のが理由だった。
     全ト協は裏付けとして06年3月末時点での全国の営業トラック車種別台数など調査。「普通トラック(車両総重量8t未満)」は71万2000台、「大型トラック(8t以上)」は45万3000台あり、新免許区分になると「普通(5t未満)」19万台、「中型(5―8t)」53万4000台、「大型(11t超)」44万2000台の構成になることが判明した。
     委員会では「新免許区分で今後、2t車は減っていく」と予測。また「プロドライバーなのだから、運転技量が問われる4t以上で競い合うべき」との声もあったという。
     今年3月、ドラコンの実施要綱が制定され、今大会から「2t部門」が正式に消された。要綱の内容は昨年12月、交通対策委(杉本守巧委員長)で審議、廃止を再確認している。ただ杉本委員長のお膝元、北海道ト協では「2t部門がなくなったことで会員の間で論議が沸き起こった」(業務部)という。「代わりにダンプカー部門を新設しろ」「2t車しか保有してない会員は出場できないのは不公平」というものだった。
     杉本氏も「2t部門がなくなるのはどうか」との考えだが、「自分が委員長になる前に決まっていたので、どうしようもなかった」と説明。業務部は「担当者レベルで全ト協に2t部門復活を求めていく」と話している。
     東ト協が5日に開いた事故防止委(結城幸彦委員長)でも批判が相次いだ。「当支部は会員の半数以上が2t車しか保有していない」「ますます一部の大手だけの大会になってしまう」などの意見に、結城委員長は「東京の大会では2t部門について再検討したい」と約束した。
     全ト協交通・環境部は「今のところ見直しは考えていない。既定方針通りに進める」としているが、全国大会の「予選」となる各ト協のドラコンは、これから開催ラッシュを迎える。2t部門廃止を知らない会員も多く、今後各地で議論を呼びそうだ。(土居忠幸記者)
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    結城幸彦委員長

     
     
     
     
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