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    プライム物流・下川社長「『反省と改善』で輸送品質向上」

    2008年6月25日

     
     
     

     「平成10年の設立時、数千万円の赤字からのスタートだった」と語る、プライム物流(東京都大田区)の下川悟社長。
     元々、企業の社員としてタンクローリー輸送に携わっていたが、その会社の経営が悪化したため物流部門を切り離し、人員ごと別会社に吸収される形で転職。その後、下川氏率いる物流部門は順調に営業を続けていたが、またしても移籍先の会社本体の経営が傾き、物流部門に悪影響が及んだ。「車を動かしても、本体からの支払いがストップしてしまっていた。取引先からはバンバン仕事が入ってくる。どちらにも迷惑をかけるわけにはいかないと考えた」のが、会社設立の理由だったという。


     現在は本社のほか、埼玉県と茨城県に営業所を設け、海上コンテナによる輸送を主体にトラクタヘッドを60台、トレーラ約100台を保有し、業績を伸ばしている。輸入先は欧米が主体で全体の4割を占め、荷物は雑貨や様々な原材料など。「外注に出すのは2割くらい。最後まで責任を持って運ぶために自社車両での運送を基本にしている」と語る。
     物流経営士の資格を持つ下川社長。一般貨物輸送、倉庫保管、流通加工管理を行う子会社のプラスパ(埼玉県草加市)とサンワロジック(茨城県常総市)、そして本社の3拠点のグループ間で、きめ細かな物流コーディネートを実現している。
     「輸送品質の良さが当社のポイント」と話す下川社長が、社員に厳しくチェックするのは「きちんとした服装と車の清掃。仕事に対する姿勢はこの2つが基本」。さらに「ミスなどにはうるさく言わない。ただ、自分で『なぜ』と考えるようにと言う。例えば小さな物損事故などが起こった場合、なぜ起こったか、どうしたら防げたかを自分で考えさせ改善させる。『反省と改善』が大きな事故の防止につながる」という。車両講習など月1回のペースで、研修会も行っている。
     燃料コスト対策は、自己管理による燃費の向上でコスト削減を図っている。「機械に頼らず、ドライバー一人ひとりが日報に書き込んでいくことで自己認識し、燃費向上を達成すれば、その分を給料で還元している。頑張った分が自分に戻ってくるシステムでやる気を促している」。
     運賃交渉については、「コスト高による運賃の実質値下げ状態は輸送品質の低下を招くうえ、安全確保もできなくなるので、昨年から荷主に話を始めている。値上げではなく、不足分の折半の希望を出した。状況に応じて、引き続き交渉を続ける」と説明する。
     グループで年商20億円を超える勢いの同社のオフィスで、社員の声は大きく明るい。下川社長の「常に前向き」の姿勢は全社員に通じている。
    ■東ト協中央支部の壮年部長に就任
     下川社長は今年1月、東ト協中央支部の壮年部長に就任。壮年部長として、「これからの運送業は、『運ぶだけ』では成り立たなくなる。3PLやSCMなどの知識も大切。ただし、小規模な事業所では、3PLと言っても、かなり難しいのが実情だと思う。しかし、荷主と情報を共有化して物流効率化を促進するシステムなどは、努力次第で採り入れることも可能なはず。(SCMについて)分かりやすく実行しやすく、具体的な内容のセミナーなどを増やしていきたい」と、今後の展望を語った。(小澤 裕)
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    【企業概要】
    平成10年設立、グループ企業に一般貨物輸送・倉庫保管・流通加工管理のプラスパ、サンワロジックと教育研修・経営コンサルティングのプラスワン。グループ総計で資本金9000万円、年商約20億円。

     
     
     
     
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