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射界
2019年4月8日号 射界
2019年4月15日
終生の友を選ぶということは、簡単のようだが実は難しい。仮にふさわしい友を得たとしても、どちらかが死ぬまで続くのはなお難しい。孔子は、この間の事情を踏まえて「益者三友損者三友あり」と諭す。友達と言っても、付き合って益となる友と、損する友がいるので、選ぶには慎重にと説く。
▲友達だと信じ、良くない点を隠すことなく直言する。相手が素直に聴き入れて感謝してくれると、それは良い真の友達として尊敬に値するが、中には不機嫌になり〝余計なお節介〟となじる友もいる。こんな友達は真の友達とはいえない。直言されて自らの言動を反省し、指摘された点を素直に改める気持ちの持ち主なら、真の友達として付き合いたいと願う。
▲世の中、全てが善人とは言えない。物事にこだわる偏屈な人や、顔色を窺って媚びへつらう人、気持ちに誠意がこもらない上っ面だけの人は、できれば避けるのが賢明だ。思わぬところで予想外の仕打ちを受けるかも知れないからである。もちろん、人それぞれ初対面で全てを見抜くのは難しい。ある程度の時間が必要となるが、早く見抜く能力も大事だ。
▲『徒然草』を書いた吉田兼好は本の中で、友とするに〝わるき人〟として七つを挙げている。◎高くやん事なき人◎若き人◎病なく身強き人◎酒を好む人◎たけく勇める人◎虚(そらごと)する人◎欲深き人…だ。そして〝よき友〟として◎物くるる人◎医師◎智恵ある人…を挙げている。彼の独断と偏見もあって賛成できないが、厳選すれば少しは参考になる。
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