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    電気トラック普及に力 充電設備のインフラ促進を

    2010年9月21日

     
     
     

     大手の運送会社では導入が始まっている「ハイブリッドトラック」だが、中小・零細企業ではまだまだ手が出せないところも多い。天然ガス車に比べて遅れている感が否めない電気・ハイブリッドトラックについて、最近になって近ト協が「MIRAI便E─truck」プロジェクトチームを起ち上げ、電気トラックの普及をめざすなどの動きが出ている。車両開発を手がけるユアサM&Bの松本起久央部長に電気トラックの現状を聞いた。


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     「普通の修理工場でも改造できる電気トラックをめざしている」という松本部長。「トラックのプロジェクトとしては、とても面白い。普及すれば日本の産業界を変えることになる。モーターであり電池、ITシステムを大幅に向上させる」という同プロジェクト。「始業前の整備についても、オイルや水などの点検をする必要がなく、馬力的な問題についても、先行して導入されているアメリカでは、何の問題もなく実用化されている」という。

     ただ、「荷物を積載しての走行距離は80キロ(エアコンなしの場合で100キロ)。もちろん、停車しているときは燃料を食わないので市内を走る分には問題はない」というが、「問題は高速道路。今後、充電設備の設置が進まなければ前に進まない。100キロごとにチャージャーを設置してもらう必要がある」という。

     「電気トラックのメリットは、コンセントがあればどこでも充電できるし、エアコンだけを回すこともできる。コンビニなどでの停車時に騒音問題が出ているが、エアコンだけを動かせることで解決する」という。

     「静かすぎるトラックは逆に危ないのでは、という声もあるが、現在の技術なら電気自動車が近づくと携帯電話が振動するシステムや、お年寄りや目の不自由な方のツエを振動させることも可能」と話す。

     「個人的な意見だが大型車の場合、万が一に備えてハイブリッドを進めるというのもいいのではないかとも考えている」という。二重三重にリスクマネジメントをしておくべきとの考えだ。

     「現在、日本では電気トラックの技術を持ちながら、普及といった点ではアメリカや韓国に遅れを取っている。まずは高速道路などを含めてインフラの整備を進めて欲しいということを、声を大にして言いたい」と訴えている。

     「問題は価格よりも走行距離ではないか」。中型車の燃料タンクが200リットルとして、リッター当たり3キロ走れば600キロ。電気トラックの走行距離が同じようにならなければ、「電気自動車でないと出来ない仕事」以外は、勝負にならないのではないか。

     商用車としては、電気自動車としてではなく、ハイブリッド化が進んでいくのではないだろうか。しかし、「リチウム電池の性能が今後、格段に向上していくことが考えられており、ユアサでも生産を本格化させていく方向にある。それによって価格面でも非常に使いやすくなっていく」と松本部長。「電気トラックの普及が産業界に大変革をもたらす」とも話すだけに、今後の性能拡大に期待が高まる。(小西克弥)

     
     
     
     
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