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    イメージ悪く…加速する運転者不足

    2010年12月22日

     
     
     

     07年からスタートした「中型免許」。「物流業界のドライバー不足を加速させている」という運送事業者の声を多く聞く。「このままではドライバーになる若者がいなくなってしまう」と危惧する運送事業者。「自家用車を持たない若者が増えている現在、中型免許を取得しようとする『クルマ好き』が、どれだけいるのか」と警鐘を鳴らす。



     国交省によると、「平成18年度に実施した、高校生及び高校の就職担当の先生を対象としたアンケート調査では、社会貢献の評価は高いものの、仕事内容については『きつい仕事』、仕事の清潔さは『普通』、安全性は『危険』との回答が多い」という。賃金は「普通」という回答が多いが、「高い」に比べると「安い」という回答が多い。労働時間は「長い」という回答が目立った。

     「トラックドライバーに対する高校生のイメージは悪い。就職しようと考える若者が少なくなっている証拠」というのは、滋賀県内の運送事業者。「しかも、若者のクルマ離れも進んでいる。中型免許以前なら、普通免許で中型車まで乗務できたが、これからはそれが困難」と危惧する。

     「ドライバー職に就職しようと考える若者が少なくなっているのに加え、中型免許を取得する人材がいなくなれば、運送会社のドライバー不足に直結する問題となる」と指摘する。「安全対策として中型免許が考え出されたのだろうが、このまま放置すれば、間違いなく運送業界の基盤を揺るがす問題となる」と危惧する同社長。「ドライバー不足はすでに業界を浸食しつつある」とも話す。

     「確かに普通免許で4トン車に、いきなり乗れるのはおかしいという声があった。初心者でも、いきなりトラックドライバーになれるのは安全性の面から問題だったかも知れない」と話す元トラックドライバー。同氏は「4トン車に乗務したときは、ほとんど道幅と同じくらいにトラックがはみ出しているように感じた」と振り返る。

     「就職した会社では教育といっても1日だけ。その後はいきなり一人で乗務。四苦八苦したが、1か月もすれば普通に乗務していた」という。「仕事を探していたとき、普通免許でトラックに乗れたので面接に行ったが、中型免許が必要なら、他の会社に行った」とも話す。

     前出の運送事業者は「大型免許を持っていれば高給取りになれたのは昔の話。中型・大型免許を取ってもメリットがなければ、免許を取得しようなんて考える人間はいない」と指摘。「このままでは、ドライバーになる人間が市場から消えてしまう。荷物もクルマもあるが、ドライバーだけいないなんて笑い話にもならない」と漏らす。(小西克弥)

     
     
     
     
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