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国交省が検討会立ち上げ 運行記録計装着義務拡大へ
2011年2月4日
運行記録計(タコグラフ)の装着義務付け拡大を目指し、国交省は2月中に検討会を立ち上げる。省令などを改正して11年度中にも実施する。運行記録計は現在、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の大型トラックに限り装着を義務付けているが、これを小型車まで拡大したい考えで、厳しい経営環境が続く中、トラック事業者にとって新たなコスト負担がまた一つ増えそうだ。
「運行記録計の装着義務付け拡大に関する検討会」(仮称)のメンバーは全ト協をはじめ、労組、日本自動車部品工業会、日本自動車工業会などの担当者で構成。「装着により安全性が高まることは明白で、学術的な検証は不要」(安全政策課)として、学識経験者は入らない。2月に初会合を開いた後、年度をまたいで数回開催。11年度の早い時期に結論を出す。
運行記録計の「装着および活用状況」の実態調査は、昨年末に公募した民間調査会社がすでに調査を開始している。利用状況をヒヤリングなどで調査し、3月末までに報告書をまとめ、検討会の資料にする。
運行記録計の装着義務拡大は「事業用自動車総合安全プラン2009」で打ち出されていた。09年10月に開催されたフォローアップ会議で「10年度中に具体化に向け検討を開始する」としたが、政権交代などの影響で作業が大幅に遅れていた。
装着義務拡大はドライバーの「休憩時間」に関連し、労組などから「運行記録計がないと過労運転につながる」と強く指摘されていたことがきっかけ。総合安全プラン2009ではこれを受け、装着義務付けの対象外とされるトラックのうち、「長距離運転が常態化しやすいものを新たに義務付ける」ことになった。ただ、法律上「長距離」の定義がないため、検討会で具体的な数値を決める。
また、同プランでは拡大範囲を「7トン以上」と仮定したが、その後、関係各方面から「車両総重量5トン以上、最大積載量3トン以上程度から検討すべき」との指摘もあり、検討会では「現時点で義務付けられていない全ての営業トラックを対象に白紙から検証」し、「どこで線引きするか」を決めるという。
アルコール検知器導入に続き、1台数万円から数十万円の運行記録計の装着義務化は、中小トラック事業者にとって新たなコスト負担となる。
このため省内には「業界事情によっては義務付け拡大は見送ってもよいのでは」との声もあり、「実施が決まっても相当の猶予期間が必要」との認識は関連部署の担当者に共通している。(土居忠幸)
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