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ドライバーに「お守り」 救援物資輸送に感激した母子
2011年4月11日
「どうかドライバーさんに渡してください」──。愛知県内の運送会社に3月29日夕方、手作りのお守り2個を持って小学生二人とその母親が訪れた。すぐに管理職が応対し、話を聞いた。訪問客は、名古屋市天白区に住む親子だった。
一般紙が連日のように救援物資輸送を伝えている。親子も、同社が緊急物資輸送から戻り、インタビューを受けた記事で会社名を見たと話した。新聞を読んだ母親は、必死で物資輸送にあたっているドライバーの活動に感激。何か、自分らにできることはないかと思い立ち、3人でお守りを作製することにした。
お守りは手縫いで、表に「お守り」の文字を、裏にはトラックのアプリケが縫いこんである。中には「ご無事で」と書かれた習字の作品が入っていた。親子は、東北方面に向かうドライバーにぜひ渡して欲しいと話し、帰っていった。
翌日、出張から帰った同社社長は管理職からの報告を受け、さっそくお礼の電話をかけた。電話口で母親は「日ごろからトラックは大きくて危ないから、そばに行かないようにと子どもに教えていました」「ドライバーさんは怖い人ばかりだと思っていました」などと話し、「でも、新聞を見て、こちらの会社のドライバーさんが自分自身の危険も顧みず、被災者のために頑張っている姿を知って、私たちも何かできればと思い、お守りを作りました。これからもぜひ頑張ってください」と告げたという。
社長は母親に「当社だけでなく、全国のトラック会社が東北の被災地に物資を届けるためにがんばっています」と説明した。
愛知県内の多くの運送業者が、東日本大震災発生以降、本業と並行して救援物資輸送にあたっている。社長は「このお守りは、当社のドライバーにというより、トラック業界全体へのエールだと受け止めている。今後は、日常業務での安全にも、さらに真剣に取り組んでいきたい」と力を込める。(戸嶋晶子)
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