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全ト協引越部会が支援へ 「計画的避難」の住民
2011年4月15日
東京電力の福島第1原子力発電所から半径20キロ圏外の5市町村が新たに「計画的避難区域」に設定されたことを受け、全ト協の引越部会(鈴木一末部会長)は支援・協力体制の構築に向けて動き出した。5市町村の人口は約11万5000人。予定通り「1か月以内」の条件で避難(移動)が実施された場合、引越輸送のプロの協力が必要不可欠になる。鈴木部会長は12日、本紙の取材に対して、「今回の大震災では何か手伝えることがないかと模索していた。近く在京の役員会を開き、具体的な内容を検討したい」と話した。
福島第1原発事故で原子力災害対策特別措置法に基づく計画的避難区域に設定されるのは、福島県葛尾村、浪江町、飯舘村の全域と川俣町、南相馬市の一部。12日現在、政府は「関係自治体の理解が得られ次第、正式に発令。住民には1か月以内をめどに避難するよう求める」としている。原発事故への対応が長期化する中、住民への健康被害を予防する措置として実施されるものだが、1か月という短期間に、隣接するごく限られたエリアから11万5000人が半ば強制されて移動しなければならないという、前代未聞の事態に追い込まれている。さらに、「計画的避難が必要な期間は数年に及ぶ可能性も否定できない」との指摘もあり、着の身着のままの緊急避難ではなく、本格的な引っ越しとなるケースが多数予測される。
引越部会では大震災発生直後から、「瓦礫に埋もれた家具その他のモノの移動など、車と人で支援できることはないか」と検討していた。今後、該当する各自治体の情報収集に努めながら、具体的な支援体制を構築する。「政府、関係省庁から国交省を通じて正式な要請があるまでは待機することになるが準備を進める。人、車両その他の手配で関ト協(星野良三会長)にも協力をお願いすることになるだろう」と鈴木氏。運賃・料金について「金銭的なことは度外視だ。ただ、部会組織として取り組むからには何らかの基準が必要。全ト協事務局と相談する」と付け加えた。
また、引越部会幹部の1人は、「現地での引越作業では一定の放射線を浴びることになるが、風評被害に負けないよう情報共有化などを徹底して取り組んでいきたい」と話している。(土居忠幸)
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