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毎朝社員とハイタッチ 北海道の事業者、やる気向上への取り組み
2011年6月22日
従業員のモチベーションを上げるため、道内の事業者はどのような取り組みを行っているのだろうか。 札幌市で物流専門の人材派遣会社を経営する社長は「毎朝、社員全員とのハイタッチを1年近く続けている」と話し、社外で会う人とも積極的にハイタッチを行っている。
「経営環境が厳しくなっていく中、社内を明るい雰囲気にするため。単純で、はじめはこっちも社員も恥ずかしい感覚があったが、続けるうちに社内は間違いなく明るくなり、コミュニケーションも増えた」と効果を実感している。「ハイタッチする時の表情やしぐさから、精神的に充実している、落ち込んでいる、といったことも感じられるようになった」とし、調子が悪いと感じた社員には後で話を聞く機会を設けるなど、個別にフォローしている。社員の一体感を重視している同市の物流システム会社は、定期的に食事会を開いているが、居酒屋での「飲み会」ではなく、高級感のあるレストランなどで行っている。
社長は狙いについて、「自分の事業に対する考えや、今後の方針について、社員にじっくりと聞いてもらえる機会がなかった。居酒屋ではうるさいし、真面目な話をする雰囲気ではない。高級レストランだと、みんなの気が引き締まっているので、真面目な話を長時間しやすい。普段行かないレストランなので欠席する者もほとんどいない。参加した社員もおいしいものを食べると気持ちが盛り上がるのか、前向きな提案をしてくれる」と話す。今では女性従業員から「次はあのレストランに行きたい」とリクエストされ、同社長は「成果を出して、おいしいものを食べに行こう」とハッパをかけている。
従業員の適性を考え、通常業務以外に新しい仕事を与えることも有効な手段だ。同市の運送事業者は、パソコン好きな社員に会社のHP作成と更新を一任した。完全なボランティアだが、「自分の好きなことで会社に貢献できていることが嬉しいようで一生懸命やってくれている」と目を細める。
中古車販売も手掛ける同市近郊の運送事業者も、車いじりが好きな社員に自動車パーツの調達や整備などを任せている。「空いた時間に色々と工夫して新しい仕事に取り組んでいる。責任者に任命してから、中古車販売関連の売り上げが、どうすれば伸びるのかを考えるようになった。まるで経営者のように原価管理を行い、効果的な施策を積極的に提案してくる」と評価している。(玉島雅基)
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