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震災の影響…生産遅れを懸念 スタッドレスタイヤ
2011年6月24日
東日本大震災から約3か月半が経過した。生産に遅れが出ていたタイヤメーカーでも生産が再開しているものの、秋以降に需要が高まるスタッドレスタイヤの不足が心配される。神奈川県のタイヤ販売店では「今年の冬にスタッドレスタイヤの買い替えを考えている運送事業者は、早めに注文しておかないと手に入らなくなる」と警告している。
運送事業の冬場の必需品と言えるのがスタッドレスタイヤ。精密機器を運ぶ運送事業者は、振動を与えないために雪道でもタイヤチェーンを使用せず、必ずスタッドレスタイヤで対応するという。そうしたスタッドレスタイヤの生産に震災の影響が出ている。地震による工場の被災や津波で海水に浸かり、使い物にならなくなった在庫タイヤが多く、タイヤ生産には大幅な遅れが出ている。
生産再開後も、ダンプトラック用タイヤなど被災地の瓦礫撤去作業に必要なタイヤ生産が先に進められ、本来の状況に戻っているわけではない。つまり本来、スタッドレスが生産される今の時期に、ダンプトラック用や生産が遅れていた製品を先に作っているため、スタッドレスの生産が遅れているというのだ。
実は昨年は極端なスタッドレスタイヤ不足だった。神奈川県のタイヤ販売店では、11月の時点で4トン車用のスタッドレスは品切れになった。ネット上などで探しても、中古スタッドレスが新品よりも高い値が付くような状況が生じていた。
スタッドレスは、生産した年に買って使いたいという「鮮度」を重視するユーザーが多く、在庫期間を長くするわけにはいかず、大雪などでメーカーの需要予測が外れると極端な品不足が生じることがある。そうした背景の中、今回の震災の影響で生産自体が遅れていることから、大雪などで需要が増えるとスタッドレスは昨年以上に品薄になる懸念があるのだ。
どうしても手に入らなければ、西日本のタイヤ販売店から在庫を探して購入することも考えられるが、関東まで送ってもらう費用だけでもコストアップになる。数年間使用したスタッドレスの履き換え時期が迫っている場合には、早めに注文しておくなど準備が必要のようだ。(千葉由之)
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