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    4トン車「速度超過」で運送4社を捜索 兵庫県警

    2011年7月28日

     
     
     

    hyougo_0725.jpg 車両総重量8トン未満のいわゆる「4トントラック」の運転者に速度超過を命じたり、超過するのを容認したとして兵庫県警は、運転者が勤務するそれぞれの運送会社4社の営業所を一斉に捜索した。本紙の取材に対し兵庫県警の担当者は、運行記録計を4トントラックにまで装着義務化するという国交省の動きを認識しており、「総重量5─8トンまでのトラックの事故が減らないというコンセンサスがある」との事情にも言及するほど、昨今の事情に精通している。



     同県警交通捜査課などは8日、神戸市内にある運送会社や大阪府内の二つの運送会社、広島県に本社のある運送会社の鳥取県内の営業所を含め4か所を道交法75条「自動車使用者の義務等」違反の疑いで一斉に捜索した。同法75条は、運行管理者らが運転者に対して速度違反や酒気帯び運転などをすることを命じること、または容認することを禁じている。

     同県警広報担当によると、4社に所属する4台の4トントラックはそれぞれ、兵庫、岡山両県内の高速道路や有料道路で昨年8月から今年5月までの間に、時速23キロから46キロオーバーで通行した。今回の捜索の疑いは、運転者が過去に速度超過を繰り返した経歴があるのを分かっていながら、運行管理者が運転者に運行を指示し、結果的に速度超過を容認したのかどうか、というところにある。平たい表現をすれば、「よくスピード違反をしているドライバーに、この仕事を任せた運行管理者は、直接にスピード違反を命令はしなくても、スピード違反前提で運転することを半ば認めながら運行を指示しているようなものだ」ということになる。

     では、「よくスピード違反をしているドライバー」ということを、運行記録計の装着義務のない4?トラックの世界で、運行管理者はどのように認識し、警察はどのように落ち度を立証できるのか。同県警交通捜査課の盛建志課長補佐は、「捜査上のことで答えられない」としつつも、「ドライバーの証言などで立証していくことは可能」との立場を取る。

     盛氏は本紙取材に、交通捜査課では一昨年から総重量5トンから8トンまでのトラックの事故が減少しないことに着目していた、と話す。また、同じ認識を持つ国交省内で、「運行記録計を4トントラックにまで拡大して義務化する動きがある」とも話し、4トントラックの現状と事故との因果関係に言及した。

     今月1日、国交省の「交通事故要因分析検討会」が出した2010年度版資料によると、営業用トラックでは昨年度と表記が変わっている部分がある。?2.5トンから5トン未満?5トンから7トン未満?7トンから8トン?8トンから11トン?11トンから20トンの5区分のなかで、死亡事故件数、重傷事故件数などをそれぞれ特記し、分析するページが加わった。

     それによると、いわゆる4トントラックにあたる?で事故発生率が最も高い結果となっている(統計は09年の1年間)。死亡事故件数で見ると?の1年間の件数は109件。事業用トラックの登録台数を分母としたときの事故発生率は0.043%で、次に悪い?の0.03%を大きく上回っている。

     同県警の今回の動きは、こうした国交省の分析を捜索という形で一歩進める役割も担う。捜査関係者は、「本当は荷主の責任まで問うべきなのだろうが、現行法ではこれが限界」とし、業界通の交通捜査の今後を見据えた発言をしている。(西口訓生)

     
     
     
     
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