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    面接だけでは見抜けない ドライバー採用に失敗

    2011年10月4日

     
     
     

    truck3_1003.jpg トラック業界では近年、労使間のトラブルが相次いでおり、ドライバーの採用に二の足を踏むケースも出ているようだ。とはいえ、事業者にとってドライバーは必要不可欠の存在。足りなくなれば当然、補充しなければならない。しかし、社会的規制が強化される中で、いい加減なドライバーを採用することは命取りともなりかねず、慎重にならざるを得ない。ただ、慎重に採用しても、トラブルに発展するケースも多い。ドライバー採用に失敗した事業者は、「面接だけでは見抜けない。もし問題が発覚していたらと考えると恐ろしい」と吐露している。



     埼玉県内の事業者がドライバー補充のため、求人広告を出したところ、40歳代の男性の応募があった。社長は早速面接を行った。面接に時間通りに現れたその男性は、スーツ姿で身なりがしっかりしていた。また、質問にもしっかりと受け答えができていたので好印象だった。

     妻子がいたものの、離婚で独り身になったということに多少の違和感を覚えたが、好印象を覆すほどのことでもなかった。そのため、採用を決め、その場で男性に伝えた。

     出社は、面接日から2日後に決まった。当日、約束した時間以前にその男性は出社してきた。時間にルーズでないことは確認できたが、言い知れぬ不安に襲われたという。様子が変で、何かが違う。

     それはアルコールチェッカーの検査で明らかとなった。呼気1?中、0.15ミリリットル以上で飲酒として扱われるが、その男性の結果は、何と1.0ミリリットル。酒酔いではなく酩酊状態だったのだ。出社初日にいきなり飲酒をしてきた男性に、即座に三行半を突きつけた。開き直ったその男性は捨てぜりふを吐きながらも結局、解雇に応じ出て行った。

     非常識な振る舞いを見せる男性の態度に憤慨する一方で、「面接でどうして見抜けなかったのだろう」と、ドライバー採用の難しさも痛感した。「離婚したとはいえ、妻子がいた。40歳代で身なりも受け答えもしっかりしていれば、疑いようがない。出社初日に酒を飲んでくるなんて誰が想像できたか」と振り返る。幸い、勤務以前で何事もなく済んだ。しかし、もし死亡事故を起こしたり、飲酒検問で捕まっていたら、社長の指導監督責任が問われかねない。それが端緒となって、関東運輸局の特別監査の要因ともなりかねない。そうした最悪の事態は避けられただけに、「面接などの手間があったが、何事もなく過ぎ去ってよかった」と安堵している。

     「ドライバー採用に万全の体制で臨むことが求められているが、たとえ慎重に面接しても、いい人材を採用できるわけではない。いつ、いかなることが起こっても、動じない社内整備が不可欠」だとし、法令順守の必要性を話している。(高田直樹)

     
     
     
     
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