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    消費者保護に偏り過ぎ 約款改正めざす東ト協引越専門部会

    2011年11月18日

     
     
     

    kaikan_1121.jpg 東京都トラック協会の引越専門部会(五十嵐良夫部会長)が「標準引越運送約款」の改正に向けて動き出した。以前から、現行の約款は「消費者保護に偏り過ぎ。引越事業者は不当なリスクを負わされている」との指摘があった。他産業に比べて「キャンセル料などは不適正な設定」との批判もある。同部会は今後、消費者と事業者双方にとって「公平で、公正な約款」への改正を目指し、全ト協、国交省に積極的に働きかけていく方針を固めた。既に部会員を対象に「標準引越運送約款に関するアンケート調査」を実施しており、「実態を把握した上で具体的データに基づき、約款改正に向けた取り組みを展開していく」としている。



     アンケート調査は9月下旬、部会員140社に質問票を送付、10月末までに回収した。10日現在、集計・分析作業中だが、回答では大多数が「キャンセルまたは延期」された経験を持つ。前日で「見積書に記載した運賃の10%以内」、当日は「同20%以内」と規定するキャンセル料については「低すぎる」として、「前日は50%、当日なら100%が妥当」との意見もあった。

     また、「キャンセル料は『運賃』でなく、外注も手配済みなので『総額』を対象にすべき。また『何%以内』のあいまいさは客の値引きの口実になる」などの提案もあった。無料となっている見積料は「収受すべき」で「少なくとも遠方、早朝・深夜は交通費、人件費の割り増し分を考慮して徴収すべき」とする意見があったほか、請求しないことになっている「内金・手付金」は「個人客なら全額前金」「手付金なら50%」を求める声もあった。

     現在の引越約款は90年11月22日付で施行(運輸省告示577号)。当時、社会全体が消費者保護に傾く中、業界には「約款さえできれば」との機運が強く、「消費者団体の言いなりだった」と回想する関係者もいる。03年の最終改正では「見積もりは無償」を明確化したが、周知徹底されず各地でトラブルが相次いだ。

     同部会員で、約款の問題点を最初に追及したサンウェイ(東京都荒川区)の井上久子社長は、「家庭でも洗濯機など電化製品やトイレの不具合を見に来てもらうだけで5000円とられる。見積料は当然」と主張。また「宿泊料、航空券、研修会場、観光バスなどは当日のキャンセル料は100%。前日でも50―100%の設定。それに比べて引越業界はあまりにも低い」という。

     長引く不況の中、各業界で「消費者保護一辺倒」の揺り戻しが起きている。旅行業界では個人が「海外ツアー」の予約をキャンセルする場合、現行30日前が「90日前」に改正される。多重予約を防ぎ、旅行業者を保護する目的で観光庁が音頭を取り、来年度から実施する。引越約款の改正では、こうした流れに「期待」する事業者も多く、今後の成り行きが注目される。(土居忠幸)

     
     
     
     
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