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タイヤ経費、ほぼ半額へ 長寿命化など取り組む
2012年8月9日
「トラックの保有台数が増え続けるなかで、タイヤ経費はピーク時の平成19年から毎年減少しており、来年には1台当たりのコストを約50%にまで削減する計画。年間で見れば1400万円の経費削減になる」。日本ミシュランタイヤ(ベルナール・デルマス社長、東京都千代田区)が7月24日に開いた「運行経費の大幅削減に成功したユーザー」のプレス見学会で、藤伸(藤川久富社長、広島市佐伯区)の沖本朗専務はタイヤ経費の大幅削減を実現する一方、ユニークな設備投資などで「サービス業のメーカーになる」と掲げた企業理念に向き合う現状を説明した。
環境負荷の低減やランニングコストの圧縮といったトラック事業者のニーズにこたえるために現在、ミシュランが進めている3R(ロングライフ、リグルーブ、リトレッド)。新品のロングライフ性能とリグルーブによるタイヤの長寿命化、さらにリトレッド(再生)でタイヤや燃料コストの削減を提案するもの。リグルーブは摩耗が進んだタイヤに再び溝を刻む技術で、国内ではミシュランが唯一の推進メーカーとして普及に取り組んでいる。255台のトラックを保有する藤伸がミシュランを採用したのは同18年で、「他社製品に比べて単価は高かったが、2台の4軸低床車で試すことにした」と同専務。その結果、「それまでは概ね1年だった寿命が1年9か月に延びたほか、パンクなども減少した」との手ごたえを得て、同20年から本格導入に踏み切ると同時にリグルーブの研修も受け、翌年から自社でリグルーブ作業を開始。さらに昨年、自社タイヤを活用したリトレッドの装着も始め、現在は「新品をフロント、リトレッドはリアへといった具合に組み合わせている」(同)という。
試験導入から6年目の昨年、藤伸が購入するタイヤメーカー別のシェアは「ミシュランが90%となった」。一方、保有トラックが255台へと増えるなかでタイヤの購入総額はピーク時の同19年から減り続け、昨年は車両が150台弱だった10年前を下回った。
一方、デジタコやドラレコなどの安全装置にとどまらず、輸送品質の向上をめざして庫内の様子が確認できる「荷台車載カメラ」を全車に搭載するほか、荷台に雨漏れがないかを定期的に検査する「屋外シャワー施設」などのユニークな設備投資を進めてきた。浮いたタイヤ経費も同様に新たな付加価値のために投じる考えで、「来年には1台当たりの年間のタイヤ経費をピーク時の約11万5000円から5万8000円に半減する計画で、総額1400万円の削減に相当する」(同)としている。(長尾和仁)
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