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経産省が中小の海外進出を支援 来年度からスタート
2012年9月7日
経産省は、海外展開を目指す中小企業を本格支援する制度を来年度からスタートさせる。「日本の知恵・技・感性を生かした商品・サービス、技術には大きな潜在力がある」として、有望企業(ダイヤの原石)の発掘からビジネス実現まで一貫して支援。初年度は2000社程度を想定し、個々に助成金を支給する。中小企業の海外進出支援はJETRO、中小企業基盤整備機構などが行っているが、国が大規模に支援する制度は戦後初めて。「対象となる中小企業の業種・業態は問わない」ため、物流業界の中小企業にも朗報となりそうだ。
経済のグローバル化が叫ばれて久しいが、中小企業は情報・資金・人材などの不足からチャンスがあっても海外展開を躊躇するケースが多い。新制度は、経産省が来年度予算概算要求に組み入れた「地域海外展開中小企業発掘・事業化支援事業」に基づくもので、?セミナーでの海外展開の成功例発信、個別相談などを通じて潜在力のある企業(ダイヤの原石)を積極的に発掘?実現可能性調査(F/S調査)や専門家サポート、海外展開計画策定支援を通じて世界に通用する企業に養成(徹底的なコーチング)?インターネットを活用した販路開拓や海外展示会の戦略的活用支援──などを行う。
さらに、「政府が前面に出た売り込み、ビジネス環境整備」「ODAを活用した製品・技術の売り込み、現地人材育成」などを通じて安定操業の実現を目指す。「官民が総力を挙げた支援」となるため、現地関係機関の連携も強化する。「潜在力はあるのに、海外展開は未経験で、ノウハウがない中小企業の背中を押してあげようというのが新制度の趣旨」と経産省。
予算の確定後、新制度の内容を詳細に詰め、来年3月ごろに募集を行い、1、2か月の審査期間を経て支援企業を決定するという。
トラック産業の将来ビジョンに関する中間整理でも、「アジア等への海外進出」を「目標とすべきあるべき姿」に掲げており、国交省は全ト協と協力して、中小企業を対象に「中国進出セミナー」などを2回開催している。「10月以降、中国以外の国、地域を対象に海外進出セミナー再開を計画」(自動車局貨物課)しているが、具体的な支援策や助成制度はない。
「荷主の海外進出で『一緒に来てくれないか』と誘いを受けるケースもあると聞く。経産省の新制度で、中小トラックの海外進出に弾みがつくことを期待している」と、ト協関係者は話している。(土居忠幸)
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