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    悪質な常習違反一掃をめざす 特殊車両取締要領が一部改正

    2012年10月12日

     
     
     

    torishimari_1015.jpg 「特殊車両の通行に関する指導取締要領」が一部改正、来年1月から実施される。違反のうち、特に「常習違反」の割合は高いと見られる一方、道路管理者によって「常習」の見解がバラバラなため、「許可取り消し」「告発」の対象であるにもかかわらず、処分を受けていないのが現状。「常習違反」を国としてきちんと定義付けし、悪質な事業者は確実に許可取り消しにしていく方針という。国交省道路局は11月1日まで意見公募を行っているが、常習違反について一切触れていない。2日にパブリックコメントに絡んでプレス発表された資料にも公表していない。(土居忠幸)



     道路局の発表では、「行政処分等の基準の細部取り扱いについて」を新たに制定します――の文章に続き、違反内容の「区分」(?無許可?許可証不携帯?通行条件違反?措置命令違反)や「重大な交通事故」「措置命令違反」「常習違反」に該当する場合は、聴聞を行った上「許可の取り消し」「告発」の措置が記載されていることから、これらの措置があたかも新しく規定されるかのような誤解を招いている。また、そのまま誤解を伝播するマスコミも一部にあり、道路局では「すべて現行法で違反者に対する措置として規定しているものばかり。こちらの記述方法がまずかったかも」と話している。

     今回の改正のポイントは「繰り返し警告を受けた者」に対して国道事務所などで「対面による是正指導書の手交(手渡し)」のほか、是正しない場合は違反者の名称、是正指導内容を報道機関や関係行政機関にも送付するということ。つまり「是正指導書の手渡し」と「公表」の大きく2点に絞られる。

     「細部取り扱い」で新しく(初めて)規定するのは「常習違反」の定義だ。各地の地方整備局や他の道路管理者との間で「常習」の解釈が統一されていないこともあり、自動計測装置による警告書の発出が何回あっても取り消しに至るケースはなかった。まさに「国はなめられている」状態で、大多数の事業者が法令を順守する中、違反するケースでは常習者の割合が極めて高く、そうした悪質な常習違反を一掃する狙いがある。

     違反が年に「3回以上」を常習とするか、「5回以上」「7回以上」かなど「現在、検討中」(道路局)だが、国として基準を統一することで確実に許可の取り消し、告発に持っていく構えだ。

     こうした国の動きに呼応するように先月、高速道路機構と首都高速は、1年前の11年9月に首都高で発生した無許可セミトレーラ(車両総重量64.9トン)の荷崩れ事故を告発。積み荷が対向車線に落下、10時間の通行止めを引き起こした事業者は常習違反者だった。「橋や道路を長持ちさせたい。また、重量物なので、ひとたび事故が起きた場合の社会的影響ははかり知れない」と道路局は強調。

     ただ、課題もある。常習違反には「欠格期間」を法律で定めていないため、許可取り消しとなっても「改善報告書と申請書を提出すれば取り消し後、最短で数週間から1か月以内に再び許可は下りる」(道路局担当官)というのだ。また、許可重量オーバーで許可取り消しになっても、貨物自動車運送事業法の「過積載」で行政処分を受けることは、ほとんどない。旧建設省の道路局と旧運輸省の自動車局の縦割り行政の弊害がいまだに存在する。

     発表では、自動車局や地方運輸局など貨物運送を扱う部署との連携も積極的に行っていくとしたが、10日現在「自動車局とは、まだ具体的な相談をしていない」と道路局。新たな指導、取り締まりは実効を上げることができるのか、注目される。

     
     
     
     
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