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    燃料高騰に大規模支援も 片山さつき氏に聞く

    2013年2月22日

     
     
     

    katayama_0225.jpg 補正予算では「3日間の15億円」で霞が関を震撼させた片山さつき・総務大臣政務官(自民党トラック輸送振興議員連盟事務局長代行、参議院議員)。15億円は本格的な燃料価格高騰対策につなげる「芽出し」で、トラック業界が深刻な状態になるようなら大規模な支援も「当然、考えなければならない」という。中型免許、運輸事業振興助成交付金の使途拡充などで周辺取材を重ねた結果、キーパーソンとして浮上した片山氏を緊急取材した。



     ――「芽出し」とは。

     円安が進み90円台となり、さらに上が見えた時点で、この(トラック)業界に対して「何もしなかった」では、業界が本当に苦しくなっても「あの時、何もやらなかったじゃないか」との議論が予算当局から出る。だから補正で「芽」を出しておく必要があった。

     ――元大蔵(財務)官僚で霞が関を熟知している片山さんだからできた。

     全ト協から話があったのはトラック議連総会の3日ほど前だから補正予算のフレームは閉まっていた。ただギリギリこの規模(15億円)だと何百億、何千億円ぐらいで閉まった時点でも「落ち穂」があるんですよ。

     ――15億円は「環境対応車普及促進対策」として追加されたが。

     CNGやハイブリッド車の場合、買うのはほとんど大手。だけど普通の環境性能の高い大型車なら「経年車の廃車に伴って新車を購入してくれたら」となると、中規模以下でも利用できる。金額的にも「補正」らしい対策といえる。ユーザーの幅も広がり、補助対象も拡大したこともあるけれど、「対策らしい対策がたった」こと自体に大きな意味があるのです。

     ――08年、09年には軽油価格の高騰対策で「中小トラック事業者構造改善実証実験事業」として総額200億円の補助が行われた。今後、こうした大規模支援の可能性は。

     補正予算は今週か来週にも通るとして、本予算が通るのは4月以降。その時、円安がどういう状態になるのか、景気はどうなるのかが見えてきて、更なる対策が必要かどうか見極めることになる。今、補正と通常の予算でわれわれは「まあ大丈夫」と国会にお願いしているところ。憶測でものは言えない。ただ円安が続き、国内のエネルギー価格がどこまで上がるか。荷物は増えずに燃料価格が上がれば経営の圧迫は必至。そうした状況が見えてくるのはたぶん5、6月以降。その時の状況がひどければ、当然(大規模支援を)やらなければならない。「物流の回復」がなければ日本経済の本当の回復はないからです。

     ――費用はどこから。

     緊急なら本予算の「予備費」、または13年度補正予算でも夏前に執行できる。

     ――交付金の使途拡充について。

     健康診断の補助に活用できるよう動いている。例えばガソリンスタンドの場合、古いタンクは(ライニング、電気防食など)全部塗りかえなければならないのに、猶予期間が先月末で切れても7000タンクがやっていない。このうち5000タンクに対し、法律上は違法状態にもかかわらず今から補助金を出してやるという。それならトラック業界だって健康診断を受けさせないのは違法状態だけど苦しいわけだから、補助として交付金を使ってやってもらおうと。今、国交省と検討している。あとは過去の「貨物課長通達」にこだわらない同省の割り切りだけ。

     ――中型運転免許は。

     1月に警察で実験してみたら(本紙既報)、別に「中型免許」なんて変なもの取らなくても車両総重量6.5トンまでは十分やれそうだということだった。若い人の就職率向上もアベノミクスの目標の一つ。若者がドライバーになる時のハードルになっては困る。6.5トン、これでいきましょうと強力に推しました。実現性は非常に高い。(土居忠幸)

     
     
     
     
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