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    不法ヤードを立ち入り調査 トラック盗難で行政が動く

    2013年5月31日

     
     
     

    yard_0603.jpg トラックの盗難が相次ぐ中、全国で最も自動車盗難件数が多い千葉県が対策に乗り出した。千葉県警と協議会を立ち上げ、中古車解体施設であるヤードの立ち入り調査をはじめとした検討を開始、場合によっては条例での規制も視野に入れるという。業界では現在、古い型のトラックやユニック車、ハイエースなどのバン車が狙われており、そうした車両を保有する事業者は毎日、いつ狙われるかわからない不安に頭を悩ませている。まだ、検討を始めたばかりで、どこまで効果を発揮するか不明だが、今回の取り組みがトラック盗難を抑制する有効打となることが期待される。



     県警によると、平成24年の県内の自動車盗難件数は2380件で、今年に入って3月末までにすでに771件発生し、前年と比べ221件の増加となっている。

     自動車盗難件数のうち、約3割がユニック車の盗難だという。ユニック車の盗難被害に見舞われた県内の事業者は、「深夜の一瞬のすきを突かれて盗まれた」と悔やむ。早朝に盗難と気付き、警察へ被害届を出す一方で、自分らでも手分けして探したが見つからなかったという。

     盗まれたトラックは、ヤードと呼ばれる目張りのされた自動車解体施設に運ばれ、瞬く間に解体され、コンテナに積み込まれる。そして中身のわからないまま輸出されているのが実情だと、業界関係者らは指摘する。「外国人による犯行で、慣れた手つきで巧みに盗む。まさにプロの手口だ。狙われると防ぎようがない」とこぼす事業者もいる。「夜も安心して眠れず、朝、トラックが無事だと安堵感を覚える始末だ」と、毎日の不安な様子を吐露する。

     こうした犯罪の抑制に、ようやく千葉県が動き出した。昨年10月に県警と協力して、不法ヤードの対策協議会を立ち上げた。犯罪の温床となり得るヤードの対策を講じることで、自動車盗難の抑制を図るのが狙いだ。

     県は、高速道路沿いに安価な空き地が目立ち、ヤードを設置しやすい環境にあるとし、自動車解体部品を輸出する港が近いという立地からヤードが乱立しているという。県警によると、その数は430か所に及ぶというが、県環境生活部廃棄物指導課の森義則副課長によると、「登録をしていない不法ヤードも存在し、県ではヤードの数を把握しきれていない」という。

     不法ヤード対策として、現行の法律で規制できないものを条例で規制する方法はないかなど、今年度に補正予算を組み、専門家を招くなどして検討を始める。「県警と協力して立ち入り調査を実施するなど、現状よりも一歩も二歩も進んだ対策を講じられないか、条例での規制を含め、できることをやっていきたい」と、森副課長は話す。(高田直樹)

     
     
     
     
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