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50代で「若手が来た」 高齢化が進む軽貨物業界
2013年7月19日
トラック業界では現在、ドライバーの高齢化が指摘されている。少子高齢化や車離れなど、若者ニーズの多様化で業界へ入ってくる若年者の減少が背景にはあるとされている。こうした中、個人事業主で占める軽貨物業界でもその傾向が顕著で、一般貨物を上回るスピードで高齢化が進んでいる。働き方にも変化が出ており、定年後の受け皿的な要素が強まってきているという。一般貨物の中でも、軽トラック1台からスタートし、運送会社を起業した事業者も少なくないが、「軽トラック1台で独立してひと旗あげる」という時代は、遠い過去の話となってしまっている。
「募集広告を出しても人は集まらない。来るのは高齢者ばかり」と話す千葉県の軽貨物事業者は、県内を中心に商業貨物を扱っている。同社社長によると、人材募集で集まるのは60代がほとんどで、若年者どころか40代、50代の応募はごくわずか。「50代前半の人が来てくれると若い人が来てくれたと喜ぶくらい」という。軽貨物は一般貨物のような規制がなく、個人での独立が認められている。かつてはトラック業界への入り口として、若年者が足を踏み入れる魅力ある業界であり、起業するための一つのきっかけでもあった。
若年者が軽貨物から離れていってしまったのはなぜか。東京都内の別の軽貨物事業者は、「稼げなくなったということもあるだろうが、それよりも、若者のニーズが変わってしまったことが大きい」という。「インターネットなど、情報通信分野で簡単にお金を稼ぐことができるようになり、多くの若者が汗水たらして重い荷物を運ぶという仕事を選択しなくなったのではないか」と指摘する。こうした現状を受け、同社では新たな戦略を練っている。それは、定年後の受け皿としての役割だ。「定年退職者は社会経験が長く、礼儀やビジネスマナーがしっかりと備わっている。体力的な問題で重労働は難しいが、荷物は軽の範囲なので対応は十分可能」としている。
一般貨物でも若年者の確保は喫緊の課題でもあるが、50代前半でも?若い?といわれる軽貨物業界の高齢化問題は深刻のようだ。
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