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傭車確保「泣き」「笑い」 昨年末の繁忙期での車両状況
2014年2月5日
ルート配送のように、毎日同じ量の荷物で同じ内容の仕事であれば、すべてを自社で賄えるが、波動があるような仕事であればなかなか自社で賄いきれない。そんなときに頼りになるのが協力会社、いわゆる傭車の存在だ。しかし、付き合い方を誤れば、たちまち自社の輸送品質の低下を招くことにもつながるだけに、日々の対応には注意が必要だ。車両不足が顕著となった昨年末の繁忙期、傭車確保で明暗が分かれた事業者の泣き笑いを取材した。
「車がまったく見つからない」と嘆いていた首都圏の事業者。同社は雑貨輸送を手掛けているが、もともと自社便でこなすのが普通で、外注に頼ることは少なかった。同社の場合、運賃は荷主次第で、荷主の運賃から自社の手数料を引いた運賃を傭車に出すという形で仕事を依頼していた。運賃がいいときは、それなりの運賃が傭車にも支払われるが、運賃が安いと当然、傭車への運賃も下がる。「うちが荷主からもらえないのだから当然」と同社社長は割り切るが、傭車側にしてみれば、仕事ごとに変わる運賃は安定感に欠ける。そのため、仕事をもらっているという同社への感謝の気持ちは徐々に薄れていった。そして年末に近付くにつれ、車両不足が目立ってきた中で、今まで手伝ってくれていた傭車は離れてしまい、とうとう傭車が見つからない状況に陥ってしまった。
「不眠不休で何とか対応しているが、正直難しい」とする同社社長は、「こんなに傭車が足りなくなるとは思わなかった」と話していた。
一方、神奈川県の事業者は、日ごろから傭車を使っているが、同社にとって傭車は下請けではなく、同等の取引相手という認識がある。そのため、運賃もルールをしっかりと決めており、それに沿った形で取引を行っている。繁忙期で運賃が上がるわけでもなく、その代わり閑散期で運賃が下がることもない。当然、荷主からもらえる運賃が安い時もあれば、いい運賃がもらえる時もある。「荷主からもらえる運賃が安い時は、傭車への支払いに足が出てしまう時もあるが、その分、いい時はうちの利益が大きくなる」と同社社長は話す。
こうした徹底したルールの下での取引に、傭車とはこれまで、良好な関係を築いてきたという同社は、「年末でもひどい車両不足には陥らずに済んだ」という。「確かにこれまで以上の忙しさで不足感はあったが、仕事に穴を開けることもなく、対応することができた」と胸をなでおろす。その上で、「傭車が探せず、困り果てている同業者を見て、傭車との付き合い方がいかに大切かを身を持って知った」と話している。
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